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社会・全般
2008年8月3日(日)17:00

マンゴー産地偽装疑惑

流通経路に落とし穴/求められる連携強化
 沖縄・浦添市の「美ら島フーズ」が台湾で生産されたマンゴーの産地を「宮古島産」と偽装して販売した疑惑が発生した。偽装を回避するため、JAなどの関係機関は「適正な流通経路の確保」を対応策に挙げる。JA系統出荷で安心な流通を確保、加えてブランド化に弾みをつけるというねらいだ。だが、これまで独力で販路を築き上げてきた生産農家の反応は鈍い。
 
■ネット販売と偽装
 偽装疑惑は先月二十五日、沖縄署による同社への家宅捜索で発覚した。仲介業者である同社はインターネット販売で台湾生のマンゴーを宮古島産と偽って販売したという。
 ネット販売は「生産者の顔が見えない販売方法」とされ、売り手と買い手の信頼が命綱とも言える。今回の偽装疑惑はその信頼を裏切る行為で、宮古島産と信じて購入した消費者にとっては許し難い犯行だ。市の産地協議会は声明の中で「長年の努力によって築き上げた宮古島産ブランドイメージを一瞬にして損ねた」と糾弾、影響の大きさを指摘した。
 
■ブランドの光と影
 偽装疑惑発覚後「宮古島産が良いから使われた。ある意味、PR効果もある」と楽観視する声もあった。今回の偽装疑惑が、全国のメディアに取り上げられたため、宮古島産マンゴーの宣伝効果になるとの考え方だ。
 産地協議会が指摘するように、島内で販売された規格外マンゴーがネット上で高く売られていることも、宮古島産が全国で高い評価を受けていることを如実に示した。ただ、この件についても産地協議会は「ブランドイメージを損なう」との声明を発表、規格外の流通を懸念している。
 宮古島産ブランドは確実に各地へ浸透。宮崎県産と競い合うように価格も上り傾向にある。しかし、系統出荷が少ないため流通経路は複雑さを極め、今回のように販売業者を介した偽装の懸念がぬぐえないことも事実だ。
 
■系統出荷、JAと農家の溝
 偽装被害を食い止めるには、適正で安心な流通経路の確保が必要になろう。ただ、これまで宮古島の農家は独力で販路を開拓。JA系統出荷が全体出荷量の二%にも満たない現状がそれを裏付ける。
 ある平良地区の農家は言う。「マンゴー農家は自分で販路を築いてきた。今さらJA系統出荷を主張しても遅いのではないか」と手厳しい。この農家によると、独自で販路を切り開いてきた農家の自負心が、JAへの系統出荷を控える要因になるという。
 それでもJAや行政は定時、定量、定品質の系統出荷は「ブランド化に欠かせない」などと主張する。系統出荷なら販売市場はJAが確保、窓口の一本化により偽装の不安も解消され、ブランド確立に向けて弾みがつくという論理だ。「今回のように仲介業者に出荷した農家が被害に遭わないとも限らない」とも指摘、系統出荷が安心な出荷体制を構築する上でも必要との見解を示している。
 
■求められる連携
 当面は系統出荷に限らず宮古島産を積極的にPRし、消費者に与えた偽装のイメージを早期に払しょくすることが求められる。伊志嶺亮市長らが提案している化粧箱やシールの統一化の検討も含めてこれまで希薄だった生産農家とJAなど関係機関の密接な連携が最重要課題となる。偽装の実態をはじめJA系統出荷やブランド確立に向けて、課題を抽出することが先決だ。


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