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社会・全般
2008年11月30日(日)17:58

「セリ市」家畜競り市に行こう

JAおきなわ宮古地区営農センター
 
どこでも競り市場は活気にあふれている。平良字下里の東方にあるJAおきなわ宮古家畜市場。ここでは、毎月十九日に肉用牛の競りが行われている。各地からやってくるバイヤーらが鋭い眼を光らせる中で、ステージに入った牛たちは、盛んにポーズをとり(?)、自分をアピールする。階上から見下ろす畜産農家の表情は真剣そのもの。丹精込めて飼育した牛に高値が付くか、付かないかの瀬戸際だ。一方では、大事に育てた家畜が売られていく悲哀もあり、複雑さが混在する場所でもある。とはいえ、消費のための肉用牛であり、地産地消の声もあがる。 
 
 宮古地区の肉用牛生産農家は約千三百戸。宮古和牛改良組合の中に各地区の支部があり、和牛の改良を促進して経済性を高め、経営の安定につなげようと日々努力する。最近は女性の農家も増え、先日は婦人部が中心となって、全国のモーモー母ちゃん(牛飼い)二百五十人を招き、二日間にわたって講演やシンポジウム、交流会などを開催した。「産ませて育てるのは女性の得意とするところ。牛の気持ちは私たちがよく知っている」と、各地の経営状況が報告され、互いの情報交換ともなった。
 
 一方で、今年は、世界的な経済不況と、穀物がバイオエタノールなどに変換されたために高騰、飼料代が急上昇したほか、不況のあおりで枝肉価格低迷、末端の子牛市場にまで波及した。肥育農家の経営難が要因で買い控えが進み、価格の低迷が続いている。
 十一月のセリ市は、五百十九頭が上場され、ほぼ競り落とされた。子牛の価格は前月比で約一万四千円高となって、農家を喜ばせた。この日は、モーモー母ちゃんたちも、セリ見学に来るとあって、宮古牛を販売するJAおきなわAコープ城辺店(砂川勝栄店長)は、屋台を出店して、宮古牛を加工販売。そばやハンバーグのくし刺し、焼きソバなど、飛ぶように売れていた。
 
会場で牛の加工食販売「将来は競り市を祭りに」

 「セリ市では朝早くから、牛を運んでくる農家がひしめく。中には朝食をとらずに来る人たちもおり、そうした農家の要望で十数年前から宮古牛のソバ汁だけはあった。十一月に初めて屋台を開いたところ、思いがけない人気で、これから毎月続けようと思っている」と話すAコープ城辺店の砂川店長。
 
 消費拡大のためにこれまで、生肉を販売してきたが、最近は、加工牛の需要も増えてきた。城辺支店の花城幸吉支店長は「地産地消というが、自賛自称でもよい。もっと、宮古牛をブランド化するために地域をあげて取り組むべきだ」と話し、行政の後押しも期待する。
 砂川店長は「本土のセリ市は、お祭りみたいだと聞く。宮古でも、農家の収穫祭などと併せて開くと、一般の人たちでも来やすくなる。畜産農家だけのセリ市ではなく、市民も参加することによって、農家のことも理解できるかもしれない」と話し、祭り的セリ市の実現に動き出した。
 
「体を動かすほうが楽しい」 後継者の下地勝さん
 上野字高田で畜産農家を営んで五十年になる下地正吉さん(六五)。三年ほど前から息子の勝さん(三二)が妻の和子さんと共に手伝うようになった。現在の頭数は母牛が五十五頭、子牛が約三十頭。「沖縄本島でIT関係の仕事をしていたが、いま思いっきり体を動かして仕事をしている方が楽しい」と話す勝さん。
 この日は、上野支部の子牛共進会に二頭を出品、第三類(二〇〇八年三月二十日―四月十九日生)で、一頭が優等賞の一等一席に入った。「やはり、大事に育てた牛が認められるということはうれしい。これからの励みになる」と喜ぶ。働いた分は結果となって出てくる。
 「経営の面で、父親とはたまに意見が食い違ったりするが、それは世代間の考え方の違いで、そこはうまい具合に調節して折り合うようにしている」と話し、二世代の牛飼いは順風満帆のようだ。


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