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社会・全般
2008年12月29日(月)17:41

不祥事続き市長退陣

合併効果まだ見えぬ
 宮古島市の初代市長伊志嶺亮氏の辞職で今年を終えようとしている。任期を十カ月残しての退陣である。初代市長が途中退陣するという事態が合併後の宮古島の混乱ぶりを現している。合併してから三年が過ぎた。合併したらもっと良くなると思っていた市民から「こんなはずではなかった」との声が聞こえてくる。
  
 八月十四日付本紙一面に「未工事で代金支払う・宮原地区補助整備工事」との見出しが踊った。補助金を不正受給した事実が明らかになり、市行政を揺るがす問題へと発展して行く。報告書では、職員の怠慢さが指摘された。これまでも職員の不祥事はたびたび出ており改めて職員の質の問題がクローズアップされた。報告を受けた伊志嶺市長は「今後、私の責任も明確にしていく」とコメントを発表。市長は九月、十二月議会で「市長の管理責任をどう取るのか」と議員の激しい質問を受けながらも、進退問題は明解にしなかった。
 
 だが、市伊良部総合支所経済建設課長が、競売入札妨害で業者二人とともに逮捕されると、市長は相次ぐ不祥事に「トップとして恥ずかしい」と市民に謝罪、年内辞職を示唆した。市民の間で、市長の辞職時期が関心の的となったが市長は十二月十日に一連の不祥事の責任をとって「今月三十一日をもって辞職する」と表明した。市長は「自分の指導監督の責任は免れない」と述べたが、職員に対して市長が辞職しなければならなくなった事態を重く受け止めてほしいとの思いも示した。これは、トップは責任を取るが、職員に市民の公僕としての自覚と資格を強く求めている。
 
 市長辞職でこの問題は、今後、補助金返還額の処理が注目を集めそうだ。市では七千六十一万九千六百六十四円の返還金を一般会計予算の中から県に支払ってある。今後、この返還額を誰が負担するかという問題が出てくる。現状では、市民負担は免れそうもない。市民はもっとこの問題に関心を持つべきであり、市当局の責任論が再び強まりそうだ。
 
 宮古産マンゴーは「味がいい」と評判で県内産の中でも価格は高い。宮古の関係者はさらにブランド化を進めようと努力、七月には小泉元首相が東京の永田町で本土マスコミを前にして「宮古産マンゴーはおいしい」とPRに一役買った。こうした関係者の努力に水を指す事件が八月に起こった。浦添市の通信販売会社が台湾産マンゴーを「宮古島産」と偽りインターネットを通じて販売していた疑いが明らかになった。これには、宮古のマンゴー農家もかかわり逮捕されるという事態になり、宮古の生産農家にショックを与えた。今後、本土市場で高値販売が維持できるかが課題だ。
 
 今年は飲酒絡みの事故が多発、バイクに乗車していた高校生が飲酒運転の車と衝突して死亡するという事故も発生。車を運転していた女性が学校施設で飲んだことがわかり、学校施設での禁酒を求める声が広がり市教育委員会は「学校施設での禁酒」を決定した。また、市職員が出勤途中に酒気帯び運転で検挙されるなど長年の飲酒のあり方を根本的に変えなければ飲酒運転の根絶は難しいとの声が聞かれる。
 
 合併して三年が経ち旧市町村でばらつきがあった国民健康保険税の税率を統一したが、一世帯あたり約六万六千四百五十円のアップとなり市民から苦情や相談が市窓口に殺到。合併前のひずみが市民を直撃した事例だ。
 長年の懸案事項だった新葬祭場の建設場所が決定。宮古病院の新築移転も旧宮古農林高校のグラウンドにほぼ決まり、市の図書館もカママ嶺公園内に建設されることが決定した。今後は中身の論議となるが、具体的に動き出すという点では明るい材料だ。
 
 年の瀬に入り、地下ダム二期工事に五百二十三億円の予算が認められたという朗報が飛び込んだ。順調に工事が進む伊良部架橋から伊良部地区に送水する計画で宮古全体の農業基盤整備に大きく貢献する。地下ダムの水を使っての農業は宮古本島で大きな効果を上げており、今後、この事業にかかる期待は大きい。農業面では、今年は肉用牛農家にとっては、競り価格の暴落、餌代の値上げなどダブルパンチとなった。しかし、サトウキビは豊作であり、宮古本島の農家は収穫を待ち望んでいる。来年は丑年。牛価格の上昇を期待したい。
 
 次期市長選ら来年の一月二十五日に決まり、予定候補者が続々決まり二人は出馬表明を済ませた。あと、四人の出馬表明も確実で六人が新市長を争う予定だ。これまでの保革の枠から新たな勢力の台頭が出ておりこれまでにない動きだ。年明けとともに運動は本格的になり丑年は選挙で明ける。慌しい日々の中で宮古島市のかじ取りを誰に託すのか市民一人の一票にかかっている。
 観光産業に光は見えるものの本土の不況の波は宮古島にも押し寄せている。合併してよかったと思わせる宮古島市をみんなで建設しなければならない。合併して四年目に入る今年、合併効果が出る方向に進むことを期待したい。


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