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社会・全般
2009年1月25日(日)18:20

「宮総実即売会」海と畑の加工品が一堂に

初の宮総実即売会(旧みやのう市)
 
統合一年を迎える両校(農林・翔南高校)は、これまで高い塀で分断されていた壁を壊し、お互いのキャンパスに行き来できるようにした。ここを教師たちは”ベルリンの壁”と呼ぶ。
 道一本隔てられた宮古農林高校と翔南高校が統合してこの三月で一年になる。現在、宮古総合実業高校(下地盛雄校長、生徒数五百四十九人)となり、第一次産業を担う高校として地域の中でも大きな期待が寄せられている。これまで「みやのう市」で行われてきた即売会が二十二日午後から第一農場と食品製造実習室で開かれた。 
 
 生徒たちは、それぞれで製造した農産物と水産物を展示し、市民に販売した。水産関係では、グルクンのかまぼこ、カボチャのようかん、昆布のつくだ煮、カステラなど。農林関係は、食パンや、菓子パン、ケーキ、鶏ももの薫製。その他、有機肥料「Bio-P(バイオ・リン)」や草花の苗、花卉(かき)、卵などが展示即売された。
 
  これまでの施設をそのまま生かした学校のあり方は、広いキャンパスと、専門的な設備がふんだんに利用できる。海洋科学・生物生産・食品科学・環境工学・生活福祉・商業の六つの科があり、それぞれで専門的な研究にも取り組んでいる。今回の即売会では、食品科学科や生物生産科の生徒たちが、加工品を製造し、自ら販売した。中でも、グルクンのかまぼこは、グルクン三尾分の肉が入っているとして人気があり、飛ぶように売れていた。指導に当たる下地清雄教諭は「生産して自分たちで売る、まさにこれが総合学習です」と話す。 
 
 これまで、マグロの缶詰などを製造し即売会で販売しているが、昨年十一月の「九州地区水産系高等学校生徒研究発表大会」では、食品科学科の三年生四人が研究開発した「ぐるくんの缶詰」が優良賞を受賞するなど、地元の資源を生かした取り組みも高く評価されている。また、環境工学科の開発した「バイオ・リン」も、地下水を汚さない自然にやさしい有機肥料として地域でも多く活用されている。
 即売会は、地元の資源を活用した生産活動であり、生徒たちの学習成果発表の場でもある。同時に換金の見込みも学べることから、総合的な学習の場としてとらえている。また、製品は安全、安価のものとなり、地域の協力も呼び掛けている。 
 
「地域の第一次・二次産業を担う」 校長 下地盛雄さん
 統合して一年目を迎えるが、水産、農業、商業の学習系列があり、まだまだ模索の段階ではあるが、六つの科を見てもお分かりの通り、生活に密着した第一次・二次産業の担い手になれると自負している。地域がそれをどう盛り上げてくれるかが唯一の課題だと思う。
 新しい作物の開発で、環境に良いとされるソバの栽培も手掛けているが、島全体の問題でもあるので行政がどう受け止めてくれるかが、今後の課題。作物や動物とかかわり、島の将来を見据えた教育がなされているので、エキスパートにならなくても、人間育成の面で社会に出ても優位な人材になれると期待している。
 
  これからの社会は経済不況といわれる。お金をつくり出す努力が不足している。自然の産物を開発する専門の人たちが少なくなったのではないか。物を作り出すという本校の生徒たちの研究は、今の時代を復活させるきっかけになると思うし、これから社会の中で一翼を担えると考える。
  来年度からは、今の一年生が自分の学科を超えて希望する学科を選べるという「総合選択制」が導入される。地域の特徴を生かして選択科目をつくることもできる。本人の意志を尊重して伸ばすこともできるし、共同研究体制を組むこともできる。
 これからの教育は個人が夢をかなえるために何が必要かを考える。そのためには、学校はそうした生徒たちを社会に送り出し、行政はその人たちが戻ってきたときに何ができるかを考え迎える必要がある。


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