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社会・全般
し尿・汚泥処理、間に合わず/搬入量増え施設限界
上原苑、午前中で持ち込み規制
宮古島市のし尿処理施設が日々、持ち込まれるし尿、浄化槽汚泥の搬入量に処理能力が追いつかない状況が続いている。市の処理施設「上原苑」には、一日当たりの処理能力を超える量がここ数年、毎日のように持ち込まれており、業者への搬入規制が恒常化している。市環境保全課では「合併浄化槽の義務化や市町村合併で上原苑に持ち込まれる量が年々増加している。処理施設の老朽化も進み、処理しきれない状況になっている」と悲鳴を上げている。
合併浄化槽から出る汚泥は、水洗トイレからの汚水(し尿)や台所、風呂などからの生活雑廃水を浄化した後に残ったもの。
旧平良市のし尿処理施設として一九八六年に完成した「上原苑」の一日当たりの処理能力は三十㌧。
しかし、二〇〇一年に合併浄化槽が義務化され、それ以降に建設された住宅などでは同浄化槽の設置が義務づけられたことなどから、施設に持ち込まれる汚泥が年々増加してきた。
さらに、二〇〇五年の市町村合併により、宮古本島の旧町村部からも持ち込まれるようになり、一日の搬入量が大幅に増加した。
ここ数年は、処理能力を超える量が日々持ち込まれるようになり、現在はほぼ毎日、午前中の段階で三十㌧が持ち込まれ、市側から業者に対し持ち込みを規制している。
ある業者は「市の処理施設は老朽化する一方で、アパートやマンションなどは増えくみ取り量も年々増加している。処理施設が現状のままでは今後が不安になる」と話す。
市では、こうした状況を改善するため、し尿処理および浄化槽汚泥の下水道投入による対応を決定し、それに伴う希釈施設を整備する予定だが、その施設の稼働は早くても二〇一一年度中となっている。
この施設が稼働するまでは、上原苑での対応となるが持ち込まれる量は今後も増加が確実視されている。
市は昨年初めて、処理しきれなくなったし尿、汚泥を伊良部島に搬送して約十四㌧を処理した。
施設の老朽化という不安を抱えながら増え続ける搬入量に市は危機感を募らせている。