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社会・全般
久松中学校演劇部/県代表で全国の舞台へ
中学生創作演劇「やくそく一涙をこえて」
「声の大きい子、態度のデカい子を中心に出演者を募った」と笑う監督の宮国敏弘さん(同校教頭)。結成9カ月余で4回の出演、多くの人に感動を与えている。こうして、今月21・22日、神奈川県で開催される第9回全国中学校総合文化祭での出演を勝ち得た。創作演劇で出演する久松中学校(知念安則校長)は、沖縄県代表として県中学校文化連盟から認証状を受ける。全国で沖縄の中学生が創作演劇を披露するのは初めて。宮国教頭がシナリオを書き、演劇指導をする。
<あらすじ> 沖縄本島から、主人公・美咲が転校してくる。頭が良く、ピアノができ、運動能力も抜群、その上、明るくて周りはいつも笑顔が絶えなかった。ヒマワリのような存在に。そのことが面白くない同級生のグループが現れる。執拗(しつよう)ないじめが始まる。だんだんとエスカレートし、美咲から笑顔が消える。唯一、友人の友子だけがそんな美咲を気遣っている。
ある日、友子が校舎の裏庭で寂しそうにたたずんでいる美咲を見かける。友子が声をかけると、ひっそりと咲く一輪の花に羽を休めるチョウを見て、「友子、裏庭いっぱいに色とりどりの花を咲かせようよ」と話し、二人は約束するのだった。
けいこ風景を見せてもらった。
①「笑顔の転校生」
久松中1年1組の教室。朝のざわついた雰囲気。それぞれのグループで盛り上がる。そこへ、砂川先生が入ってきて、出席の確認。そして、転校生・大城美咲を紹介する。美咲は明るく自己紹介。担任もたじたじ。美咲は一気にみんなの人気者に。
②「積もっていく不満」
授業でも、美咲は頭角を現していく。担任も美咲ばかりをほめるようになった。バスケットもこれまでサナエを中心にやってきたのに美咲をセンターにしたことで、みんなの中でふつふつと不満がつのっていく。次第に、いじめの芽が育っていく。
③「仮面の親友」
そんな中、友子だけが美咲と親しくしていた。いじめのサナエグループは、二人を仲たがいさせようと、いろいろ、あることないこと友子に吹き込む。
④「やくそく」
ある日、友子は校舎裏で一人でたたずむ美咲を見かける。泣いていたようだ。サナエグループにいじわるされたか聞くと、そうじゃないと否定する。そこで二人は、一輪の花にとまるチョウを見つけ、この荒れてしまった裏庭を花でいっぱいにしようと約束する。これまで居場所の無かった美咲にとって、そこは、唯一の居場所となる。
⑤「それぞれの居場所」
朝のクラスの風景。美咲の机だけ空いている。みんなは、どうせ、裏庭で花を植えているんじゃないという。担任が入ってきて、美咲の転校の話を告げる。そして、預かったみんなへの手紙を読み出す。その中には、前の学校で自分はいじめっ子だったことが書いてあり、いじめられて初めていじめられっ子の気持ちがわかったことが書いてあった。友子は裏庭に駆け出した。みんなも続く。そこは、美咲が友子と約束した場所だった。
⑥「自分探しの旅」
裏庭で、色とりどりに咲く花を見て、みんな反省する。空には美咲の乗った飛行機の音。全員、見上げ、「もどってこーい」「ごめんなさーい」「元気でねー」とそれぞれのことばを美咲に送った。
最後は、「涙をこえて」の音楽が流れ、全員で斉唱。
一輪一輪に思い込め/14日はマティダで壮行公演
最後のシーンを飾る色とりどりの花を作ったのは、演劇部親の会の母親たちと出演する生徒たち。昨年10月の地区大会で作った千本の花を、もう一度思いを込めよみがえらせた。
全国出場の前に、14日(金)午後7時に開演する「記念壮行公演」。先輩にあたるミュージシャンの下地勇さんも、激励ライブに駆けつける。
宮国監督は「虎(とら)かんむりに爪(つめ)と書いて虐(いじ)めという漢字が生まれた。ひび割れから雨水がしみ出すように、親も先生も気が付かないところで徐々にそれは進行していく。実は、その本質はいじめる子も、いじめられる子も自分の居場所づくり、本音で生きられる場所をさがしている。この演劇を通し、仲間や友情について一緒に考えてみよう」と演劇にかける意気込みを語る。