2009年12月27日(日) 21:51

サンゴ礁保全モデル事業/海はみんなで守ろう

民間の保全ダイバーを養成
海中のオニヒトデとオニヒトデ駆除のダイバー

海中のオニヒトデとオニヒトデ駆除のダイバー

 地球の自然環境に大きな役割を果たすサンゴ礁。沖縄諸島では観光産業を支える柱でもある。ところが、その保全が重要であるにもかかわらず、行政だけでは追いつかない部分が多く、県民、市民を網羅して対策を講じたいという動きがある。財団法人南西地域産業活性化センターの離島地域広域連携推進モデル事業で推進する。宮古の同モデル事業担当の猪澤也寸志さんは、このほど民間ボランティアの保全ダイバー育成を呼び掛け、無料講習会を実施した。12人が参加して19・20の両日、座学と実際に海でのシュノーケリングやスキンダイビングの講習が行われた。この冬一番の寒さとなった両日、参加者は寒さに手をこすりながら猪澤さんの指導を受けていた。    オニヒトデを駆除するには  今回特に力を入れるのは、サンゴを食い荒らすオニヒトデの駆除。まず沖縄県が重要保全地域に指定した八重干瀬や下地島、池間島などのサンゴ礁エリア。数などの調査を行った段階でどこでどれだけ減らせばサンゴ礁が保全できるかなどの実施検証を行う。また、海藻、イソギンチャクなどの生態、海水温、塩分、濃度などの温暖化影響調査も予定。このため、市民ボランティアの安全訓練としてスキンダイバー資格の取得講習を行おうというもの。    初日は、午前10時から平良港ターミナルビルでオリエンテーションが行われ、モデル事業の説明が同活性化センターの佐藤努さんからあった。サンゴ礁保全モデル事業や育成講習会の説明が猪澤さんからあり、参加者の一人ひとりが自己紹介を含め意見交換が行われた。この後、場所をエコガイドカフェに移し、ビデオを見ながらオニヒトデ対策の現状や役割、安全技術講習について学んだ。  午後からは、下地島のカヤッファ(中の島)でダイバー育成講習会が行われた。この日は最低気温が14度とこの冬最も寒い一日となったが、参加者はウエットスーツに着替え、シュノーケリングやスキンダイビング講習を受けていた。翌20日も午前、前日の復習を行った後、中性浮力の練習やオニヒトデ捕獲シュミレーション実習を行い、着実にサンゴ保全への意識を高めていた。     1年前から城辺福里に住む新屋安正さんは、30年前、海邦国体があったころ、都市計画の仕事で沖縄諸島を巡回、定年後は宮古に住もうと思った。「当時は緑も多く海もきれいだった。あのころの宮古島に少しでも近づけたらと今回の呼び掛けに参加した」と話す。また、平良久松に住むニック・ランキャスターさん(カリフォルニア出身)は、「友人からの情報でフィジーでサンゴ保全市民ボランティアのことを聞いて、宮古でもできるのではないかと思い参加した」と話し、身近な海を民間の力で守りたいという気概が見えた。    <オニヒトデのはなし>  造礁サンゴ類を好んで食べる大型のヒトデ。ウニやナマコと同じ棘皮(きょくひ)動物の仲間。サンゴが生息していない高緯度地方や大西洋には分布しておらず、これまでインド洋や太平洋の各地で大量発生して、サンゴ礁に大きな被害をもたらしてきた。そのため、多くのお金と人手をかけて研究と駆除が行われてきたが、その生態はまだまだ不明な点が多い。  沖縄諸島では、6-7月ごろ、雌雄が放卵・放精をする。1匹で、1年間に数百万個―1千万個の卵を産む。受精卵は発生してプランクトン幼生になる。数週間は海面近くを浮遊し、その後、サンゴ礁近くの海底にうまく降りることができると変態して0.5㍉くらいの稚ヒトデになる。成長して7―8年は生きると考えられている。    成体はサンゴを主に餌とし、1年間に約6畳間ほどのサンゴを食べるといわれる。飢えにも強く、半年以上何も食べずに生存することができる。また、移動能力が高く1日で70㍍近くを動く。天敵はホラガイ、フリソデエビ、フグの仲間などが知られる。  トゲで覆われており、その表面には毒がある。人が刺されると体内でトゲが折れ、簡単に取れなくなる。痛みは強烈で数時間持続する。このため沖縄県は、安全対策も含め、あらゆる駆除作業を試してきたが、これという決め手がないのが実情。(県文化環境部自然保護課の資料による)   海は畑の意識で/ダイバーの猪澤さん  今回、市民ボランティアの安全訓練としてスキンダイバー資格の取得講習を無償で実施したのは、市内でダイビングショップを営む猪澤也寸志さん。大阪の出身で宮古に住んで25年余。トライアスロンのスタートした年、東急リゾートに委託業者で入る。その後、海とかかわる仕事を続けてきた。日本サンゴ礁学会の会員で、先月は、オニヒトデの徹底駆除をボランティア活動で成功させた例を発表、高い評価を得た。   ―市民ボランティアを呼び掛けたのは?  オニヒトデの駆除に行政が追いつかないということだ。これまであらゆる方法でお金も人も使ってきたが、これといった対処策は見つかっていない。そこで、市民も海を守るために何ができるかを積極的に考えていきたい。   ―今回の参加者は。  正直言ってビックリしている。初めて会う方ばかりですし、この寒さにこの人数はすごいコアを感じる。それに一人ひとり個性的でこの先が楽しみ。来週半ばからは毎週1―2回の割合で活動できたらと考えている。   ―サンゴ礁を保全するということは。  島の観光を発展させるには、まず海を大事にすべきだ。それは生活にもかかわることだし、子どもたちの将来にもつながることだ。
  • 宮古島の人口

    平成31年2月1日現在

    宮古島市 54,258 人
    27,060 人
    27,198 人
    世帯数 26,888 軒
    多良間村 1,170 人
    628 人
    542 人
    世帯数 522 軒
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