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2010年5月26日(水) 16:30

岩波新書創刊70年記念アンケート

わが国で最初に「新書」を発行した岩波書店が岩波新書創刊70年を記念して各界で活躍している方々に次のアンケートを実施した。「岩波新書のうちで、長く心に残っている本、最近読んで感銘を受けた本、他の人々に薦めたい本を、短評を添えて挙げてほしい」。その結果、218名から回答が寄せられた。  ▼ 『万葉秀歌』(斉藤茂吉)は「新書」創刊当時から現在まで、専門を問わず多くの国民に広く愛読されてきた   ▼最も多く挙げられたのは丸山真男著『日本の思想』である。その中の論文「『である』ことと『する』こと」の一節、「主権者(である)ことに安住して、自由や権利を行使(する)ことを怠ってはならない」   ▼グローバリズムの進行に伴って『バナナと日本人』が多く挙げられている。「グローバリズムのえげつなさを、この本は具体的に教えてくれた」。「バナナ1本から世界の仕組みが見えてくる」   ▼自然科学系では、量子力学を創ったシュレーディンガーの著書『生命とは何か』がよく読まれている。「生命とは負のエントロピーを摂取しながら秩序を構築するもの」と彼は定義した。この書の影響は大きく、今日の分子生物学の発展を予告した記念碑的名著だと言われている。哲学系では、宮崎駿たちがパッペンハイムの『近代人の疎外』を挙げている。宮地正人は「自己と社会の関係を考える手掛かりをくれた」と書いている   ▼真偽入り交ざった情報が氾濫している。今こそ評価の定まった良書が求められる時代である。