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2010年5月29日(土) 16:32

普天間の移設先を辺野古と明記した日米共同声明

普天間の移設先を辺野古と明記した日米共同声明が出た。〝5月決着〟の幕引きだ。だが、辺野古への回帰策は県民の猛反発を招き、ひいては日米信頼関係にヒビが入るだけでなく、普天間の使用を長引かす拙策だ。  ▼ そもそも、鳩山首相の言う「海兵隊の抑止力」とは冷戦時代の幻影ではないのか。軍事評論家によると、現代の紛争はテロ、民族、宗教、資源に起因しており、そうした紛争地域から自国民を救出することが海兵隊の主な任務だという   ▼そうだとすれば、尖閣諸島に中国軍が上陸した場合、海兵隊の出番はない。出動するのは嘉手納の空軍か佐世保の第7艦隊だ。出番のない海兵隊は抑止力とはなりえない   ▼他方、尖閣が紛争地になった場合の米軍の対応について、歴代駐日米国大使の見解は「当然守る」「二国間の領土紛争には直接介入しない」など、大使が交代するたびに異なる。もし、米国が後者の立場をとった場合、在日米軍には抑止力を期待できない。将来、米中が経済連携をより緊密化した場合、米国は尖閣紛争への介入を避けるのではないかとの疑念が残る   ▼〝力の真空状態〟は他国の武力行使を招きがちだという歴史の教訓は理解できる。だが、海兵隊の沖縄からの撤退が、直ちに〝力の真空状態〟をもたらすとは考えにくい。行動範囲の広い嘉手納の空軍や佐世保の第7艦隊が健在だからだ   ▼鳩山内閣は政治主導といいながら、米国を説得する政治工作を怠ってきた。そのツケを沖縄に負担させることに納得できない。早晩、再提議が必要になろう。