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社会・全般
まど・みちおの詩(行雲流水)
♪、一、ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね そうよ かあさんも ながいのよ 二、ぞうさん ぞうさん だあれが すきなの あのね かあさんが すきなのよ。この童謡を作詞したのは「まど・みちお」である
▼易しい言葉で、象が象であることの喜び、子が母を慕い、誇らしげに思っている気持ちが伝わる。まど・みちおの詩には存在そのものの全肯定と、その多様性への讃歌がある。「くまさん」という詩は「みずに うつったいいかお みて そうだ ぼくは くまだった よかったな」で結ぶ
▼昨年、NHKスペシャルは「ふしぎがり~まど・みちお百歳の詩~」を放送した。好奇心旺盛で、どこかユーモラスで味わい深い詩を書き続けている。その詩の原点は、世相への不満と「なぜ」の追求だと言われる
▼小さな発見から深い思索までを平易に語る詩は国際的にも評価され、児童文学のノーベル賞とも言われる「国際アンデルセン賞」を1994年に受賞した
▼「ぼくがここに」という詩は次のようにうたう。「ぼくがここにいるとき、ほかのどんなものも、ぼくにかさなって、ここにいることはできない-」。それぞれの存在がかけがえのないものであることをこう表現している
▼まどさんの世界では、どんなに小さいものでも宇宙につながっている。「-さくらのはなびらが じめんにたどりついた/いま おわったのだ そして はじまったのだ/ひとつのことがさくらにとって/いや ちきゅうにとって、うちゅうにとって」