2011年5月3日(火) 9:00

日本国憲法(行雲流水)

 「国民主権」と「基本的人権の尊重」、「平和主義」を原則とする日本国憲法の前文は次のように結ばれる。「全力を挙げてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う」



▼第二十五条は次のように謳う。「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」。そのことは、どこの地域でもその地域の特性を生かして国民が人間らしく生きられる場所になることをも意味する


▼大震災に襲われた地域の人々が、震災前、いかに地域づくりに懸命に努力してきたかを、国民は改めて知らされた。政府はこの際、TPP(環太平洋連携協定)参加の方針を撤回すべきである。「規制緩和」による市街地の荒廃も目に余る。「ふるさとを返せ」という声が各地から聞こえるようになって久しい


▼憲法の掲げる平和主義の原則も揺らいでいる。全国に結成された7000余の「九条の会」は、「平和を求める世界の市民と手をつなぐため憲法九条を激動する世界に輝かせたい」と主張する。一方は逆の方向で、例えば「新しい歴史教科書をつくる会」は、沖縄戦における集団自決問題の記述を「自虐史観」に毒されたものだと主張する


▼要は国際情勢に正しく対処することである。その際、「自国の主権を維持し、他国と対等な関係に立つ」ことを憲法は求めている。「沖縄」を無視し、日本に際限もない負担を強いる米国と、それに追従することは憲法の理念に反する


▼第十三条は「生命、自由及び幸福追求の権利」を謳う。理念の中心に「個人の尊厳」がある。