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2011年5月31日(火) 9:00

「順調に育っていたのに」/被害拡大、農家ショック

葉タバコ、マンゴー際立つ


 28日に宮古島を襲った台風2号の最大瞬間風速は、50・4㍍を観測した。宮古島地方気象台によると、5月に襲来した台風では過去70年で最大。今回の被害は襲来時期の関係で、収穫中の葉タバコや収穫前のマンゴーで際立った。大きな被害を受けた農家は「順調に育っていたのに…」とショックの表情を隠せない。マンゴーハウスでは、ビニールの破損被害も大きい。


マンゴー

落下したマンゴー=29日、平良松原

落下したマンゴー=29日、平良松原

 平良松原にあるマンゴーハウスでは、破れたビニールのすき間などから吹き込んだ風によって、約1割の実が落下した。約3割の実に傷が付いた。


 落ちたマンゴーは捨てるしかなく、傷物は半値になるという。被害額は150~200万円に上ると試算する。
 ハウスの持ち主は「どこに怒りをぶつけたらいいのか分からない。自然の脅威は恐ろしい。せっかく順調に育っていたのに」と肩を落とした。


 平良底原のハウスでは30日、持ち主の男性が台風の後片付けに追われた。ハウスのビニールの大部分は、風に吹き飛ばされ、周囲に散乱した。


 男性は「ハウスには雨よけ機能がなくなった。今後雨が多く降りハウスの湿度が上がると、炭ソ病が発生する」と懸念。「袋掛けをしてしのぎたい」と話した。


 10㌃にかかるビニールの取り付け費用は、約7万円。「農業共済に入っておれば損害は緩和された。しかし今年に限って入らなかった。運が悪かった」と頭を抱えた。


葉タバコ

マルチビニールを片付ける生産農家=30日、平良狩俣

マルチビニールを片付ける生産農家=30日、平良狩俣

 「全滅だよ」。収穫最盛期だった葉タバコの生産農家は一様に肩を落とした。台風の猛烈な風で葉がちぎり取られ、畑には茎だけが残された。宮古全体の被害額は数億円規模に上るとみられる。


 葉タバコは5月11日に接近した台風1号の風にあおられ、その後の長雨で疫病がまん延した。この「二重苦」の矢先に強い台風2号が接近、多く残していた収穫すべき葉のほとんどがちぎり取られた。


 平良狩俣の農家はマルチビニールを片付けながら「台風が来ないことを前提に葉タバコを作っているのに、これだけの台風が来たらどうしようもない。今年は台風1号も当たるし疫病もあった。大きな損害。宮古全体でどれだけの被害が出るのか心配だ」と話した。


 上野の農家は「大不作だよ。全部風が葉をちぎり取った。大損害になる。疫病被害も大変だったのに、とても残念だ」と葉タバコの茎のみが残る畑に目をやりながら話した。


サトウキビ

頭部が折れたサトウキビ=30日、平良松原

頭部が折れたサトウキビ=30日、平良松原

 今後、数日間雨が降らなかった場合、サトウキビでは塩害の発生が懸念される。各地のキビ畑では30日、塩害防止のために、スプリンクラーがフル稼働した。


 平良松原の畑では、約3割のキビの梢頭部が折れた。昨年10月上旬に植えたキビで、草丈は1㍍程度。畑の持ち主の男性によると、折損はそのころ植えたキビに目立つ。8月中旬ごろに植えて、2㍍ほどに成長したキビに折損はさほどないという。


 折れたキビの茎は、20㌢程度と小さい。「この茎をどう処理したらいいのか」と頭を悩ませている。


 キビの葉が折れたり、裂けたりしている被害は、今後回復するとみられている。