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2011年6月25日(土)22:46

真栄里 隆代さん(52歳)/ゆうかぎの会代表

がん対策推進条例に理解を


真栄里 隆代さん

真栄里 隆代さん

 沖縄県は、がん対策推進基本条例を立案し、すべての県民が、がんに罹患してもお互い助け合い、安心して暮らせる社会を実現しようとする動きがある。その中に、離島におけるがん患者の支援を具体的に盛り込んでほしいと動き出したのが「ゆうかぎの会」。真栄里さんは「みんなで手をつなぎ、豊・世(ゆう)のある良い(かぎ)社会にしていきたいという思いで名付けた」と話し、仕事の傍ら、行政や関係機関に理解を求めるため奔走する。


 がんは、疾病による死亡の最大の原因といわれ、日本では2006年にがん対策基本法が制定された。にもかかわらず、沖縄県のがん医療に対する対策は未だ不十分。それは、28の離島を抱える島社会で、交通費や滞在費の経済的問題、専門医不足、高度医療機器の不十分など多くの問題がある。「沖縄県のがん条例は離島にも配慮して、すべてのがん患者を支えるものであってほしい」と訴える。

 看護師である真栄里さんが、これほど熱を入れるには訳があった。2年前、何気なく触診した乳房に違和感があり、気になって診察してもらった結果が乳がんだった。宮古病院で手術したものの、放射線治療は沖縄本島に通った。「月曜日から金曜日まで毎日、トータル25回、5週間、放射線治療を受けた。治療も大変なのに、仕事のことや家のことも気になり、とても不安だった。誰でもがんになる可能性はある。逆に、いつなるか分からないがんへの対策を、行政はきちんと取り組んでほしい」

 離島の患者は本島で治療、検査を受けなければならないとき、本人、付き添う家族の交通費、滞在費など経済的な負担を強いられる。航空運賃の割引など軽減策を講じてほしいと訴える。また、島では高度医療が受けられない現状がある。がんが骨に転移していないかを調べる骨シンチの機械、全身のチェックができるPET(ペット)検査機などもなく高度医療機器の充実と専門医の配置など、見直すことが数多くあるという。

 「離島には、がん患者のつらさや痛みを和らげる緩和ケアなどの専門看護師・認定看護師もいない。離島のハンディを取り除くような支援策であってほしいと、会員一丸となって、声を発していきたい」と、意気込む。

 真栄里 隆代(まえさと・たかよ)。1959年3月1日、伊良部字前里添に生まれる。宮古高校卒業後、県立那覇看護学校に入学。80年に卒業、同年から宮古病院へ。内科・精神科・小児科を経て現在内科勤務。

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