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2011年8月30日(火) 9:00

ことわざの「こと」は言葉(行雲流水)



 ことわざの「こと」は言葉、「わざ」は業で、ことわざの語源は「言葉の業」と考えられている。主として庶民生活の体験的な知恵から生みだされたもので、簡潔な表現で、真理をうがったものが多い。人の生き方に示唆を与え、人を勇気づけ、時に世相を鋭く風刺する


▼宮古には優れたことわざが多く、「飢(やあ)すさど美味(んま)さ」(ひもじいときは何でもおいしい)、「愛(かな)すさど美(かぎ)さ」(好きになったら美しく見える)など、日常会話のなかにもよく出てくる。ことわざから生活の知恵を学び、言語生活に潤いをもたらすためにも文化遺産である宮古のことわざを知っていて、子や孫に伝承することも大人の任務であるという認識で、砂川学区の友利地区では集落センター(公民館)内に主だった「ことわざ」を掲示、意識的に皆で共有して活用している


▼「指(ういび)や内側(うつんかい)ど折(ぶり)ず」。指は内側に折れるのが自然で、いざというときには身内の側につくの意。家族や親戚、所属する共同体を大切にしたいという思いが込められている


▼「生(うま)りや一島(ぴとすま) 育(すだつ)つあ百島(むむすま)」。生まれる所は一カ所だが、育ち、発展するところは無限にある。子どもたちの健やかな成長と飛躍の願いが込められている


▼「才智(さいつ)あ一代 真心(まくと)あ世(ゆ)と共(ととみ)に」(誠実に勝る知恵はない)


▼「赤印だらだら 共乱(とむみだ)り」。というのがある。何事も印なしでは信用できず、疑心暗鬼になってともに乱れる様。利益社会(ゲゼルシャフト)への移行があるにしても、共同社会(ゲマインシャフト)的な連帯と親密さを大切にしたい。