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行雲流水
2011年9月7日(水)23:04

一括交付金(行雲流水)

 新内閣による沖縄振興一括交付金の取り扱いが気になる。県は、従来の沖振法に基づく補助金(年額約3000億円)を、県が自主的に使える交付金にするよう要請。今年度末で期限切れとなる沖振法の後継施策とする考えだ。しかし前内閣は、前向きに検討するとしながらも金額を明示しなかった


▼総務省では、初年度500億円程度を各県一律に一括交付金化する案を検討していて、突出する沖縄県の要望に困惑しているフシがあった。川端総務大臣に沖縄担当大臣を兼務させたことは、総務官僚を抑えて沖縄振興一括交付金制度を創設するための布陣だと思いたい

▼総務官僚が懸念する理由の一つに、地方自治体の執行能力の問題がある。無秩序な執行に陥らないよう、事前に諸法令との整合性を整え、必要性の判断基準を示したいとの思惑があるようだ

▼県から市町村への配分をめぐっても、同様の問題が起こる。市町村の企画立案能力が問われ、すぐれた企画書を作ることができる市町村に、より多くの予算が配分される傾向が生まれるであろう

▼役所のどの課の仕事でも、定められた日常業務をキチンとこなすルーティンワークと業務改善や新政策を立案し、予算化し、実施する企画調整業務の両側面がある。ルーティンワークだけで〝こと足れり〟とする職場には、「ことなかれ主義」の沈滞ムードがただよう

▼一括交付金制度の導入を契機として、主体的な事業展開能力が問われることに。変革期には、未体験ゾーンに挑戦する勇気と努力が要る。先んずれば、メリットも多い。

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