2011年10月5日(水) 22:41

酒場談義(行雲流水)

 定年退職した人たちが集う〝年金酒場〟。「裃 」を脱いだ客人たちは、飾り気もこだわりもなく気楽に話す。そんな店で小耳にはさんだ話が妙に気になる。いわく「八重山は決まった後で騒ぐ。宮古は決まる前に騒ぐ」



▼地域文化(考え方、行動様式)の話だから、善しあしを言っているのではない。だが、その拠ってきた原因についての解説はなかったので、宿題をかかえこむことに


▼八重山では「船頭が多ければ、船も山に登る」との〝たしなみ〟があるのだろうか。宮古では情緒的な反応が先行する傾向があるのだろうか。さまざまの想いが頭をよぎった


▼ある米国留学体験者によると「米国では日本人も韓国人も中国人も同じ〝東洋人〟でくくられる場合が多いが、さほど抵抗感はなかった」という。他方、福島県で聞いた話では「天気予報を浜通り・中通り・会津地方に三分割しているのは同一県内でも気象の違いが著しいからだ。住民の気性も違う」とのこと。大陸では〝鳥の目〟で、島国では〝虫の目〟で観察する習性があるのだろうか


▼地域文化は気候風土や歴史に根ざしていることは確かなようだ。しかし、気候風土は昔と同じでも、社会環境は日々変化する。変化への対応が旧態依然であるなら、新たな地域文化を創ることは難しいのではないだろうか


▼温故知新。ものの見方・考え方は、進化していく。未来の地域文化は、現在進行形の多様な価値観の織り成す綾の中にある。情緒的な情念の糸、経済的な利害得失の糸と交わって〝向上心〟という一本の縦糸も見える。