2011年10月29日(土) 22:37

理想的家庭とは―そのような家庭を築くには何が必要でしょう

日本親業協会親業インストラクター 福里 盛雄


1 人は家庭で心の休養する


 家庭はどんなに社会が混沌としていても、家庭はそこに住む者にとって心の安らぎの場である。人々は社会生活で、心が傷つき苦しんでも家庭でそれらの圧力から解放され、再び社会で活動する体力と心のエネルギーを再生させます。家庭は、船が荒海の長い航海を終えてたどり着く港に例えることができます。船は港で次の航海のための備えをし、再び荒海の長い航海へと出航していきます。



 どんな恐ろしい独裁権力者も、その地位に失脚し、国を追われるような孤独なときは、忘れていた家庭の温もりを再び恋しがることは、歴史が証明しています。多くの人は、物事の成功の絶頂の中にいるときは、自分の家庭を忘れがちですが、物事の成功が、失敗に向かい下り坂にさしかかると、精神的に疲労を感じ始め、悲しみの谷底に突き落とされます。なぜならば、今まで助け合っていた多くの人々も、潮が引くように、その人から離れ去っていきます。そのような状況の中で人は、世間の風の冷たさと、絆のもろさを身をもって体験することになる。そして、人は家庭の安らぎに心から感謝するのです。


 人が人生の困難に遭遇したとき、人の心を元気づけるのは、家庭だと思います。理想的家庭とは、家族が順調に生きているときは、空気のようにあまりその存在のありがたさを感じさせない。ところが一度、家族の者が何らかの物事につまずき失望のどん底に沈むとき、そこからはい上がる力を付けてあげることのできるのは、まずは家庭なのです。このように、家庭は人が一人の人間として、いろんな経験をしながら、成長していくために、どうしても必要不可欠な存在であり、心の憩いの場といえます。これこそ望ましい家庭です。


2 理想的家庭をどのように築くことができるか


 「一切れのかわいたパンがあって、平和であるのは、ごちそうと争いに満ちた家にまさる」ということばの通り、家庭は平和でなければならない。家庭が平和であるためには、家族が愛に満ちていなければなりません。物質的豊かさも必要ですが、それ以上になくてはならないものは、愛なのです。愛は他人に対して寛容であり、親切であり、善意な態度を取ります。家族が、この愛に満たされていれば、その中で生活している者は、心を休めて、日常の家庭生活を喜びと楽しみを体感しながら過ごすことができるのではないだろうか。そして、今を正しく反省して未来に向かって、大きな夢と希望を確信し、自分と隣人に対する愛の実現のため、多くの困難にも耐えながら忍耐力と自制力を発揮して生きていきます。人は、理想的家庭に恵まれれば、どんな人生の失敗や挫折も問題なく乗り越えて生きていきます。社会的な偉大な事業を成し遂げた人々の背後には、これまで述べてきたような理想的家庭が、彼らの心の支えになっているのです。


 ですから、私たち家族の者が社会的に良い働きをする品格を備えることを願うならば、まず理想的家庭とはどんな家庭を言うのか、そのような家族を築くためにはどうするべきかを十分に考えて日常の生活をしなければなりません。日常生活は、平凡なものかもしれません。しかし、その平凡な日常生活の中にこそ、理想的家庭を築く真理が存在していると考えます。理想的家庭の中心となるのは夫婦だといえます。夫婦が愛の絆で固く結ばれている家庭は平和であり、家庭の温もりがあふれ流れています。その流れの中では、家族みんなが心の安らぎを十分に味わうことができるのです。これこそ理想的家庭だと言うことができると考えます。そのときこそ、家庭での虐待行為もなくなると確信します。