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2011年11月7日(月) 23:02

「ふるさと」(行雲流水)

 ♪「うさぎ追いしかの山/小ぶな釣りしかの山/夢はいまもめぐりて/忘れがたきふるさと」。この歌「故郷」は、日本人の心の歌である



▼うさぎを追ったことがなくても、小ぶな釣ったことがなくても、それはひとつの象徴で、だれの心にもある故郷への郷愁を深く歌いあげている故に、この歌は心に響くのだろう


▼日々心身ともに成長し、変化していく子どもには、喜びとともに不安や葛藤があった。そこには、無償の愛で自分を育んでくれた親がおり、友情を温め合った仲間がいた。「いかにいます父母/つつがなきや友がき/雨に風につけても/思い出る故郷」


▼ふるさとは「人」である。自分の思い出だけでなく、親や祖父母、かつての家族の暮らしぶりや激変してきた時代への想いともつながっている。野山のたたずまいがまた故郷であり、街の坂道が故郷である。昔から変わることなく寄せては返す波の響きと共鳴する心が郷愁である。すべてを彩る要が学校である。故郷は学校があっての故郷である


▼交通機関の発達、パソコンによるバーチャル(仮想的、擬似的)世界の広がり、家庭の変化と生活の多様性、社会と地域の変容がある。故郷への思いは希薄化するのだろうか、それとも、それは、鮭の帰巣本能のように、本質的なものなのだろうか。ともあれ、故郷が、人が人間らしく生きられる場であることを誰もが願う


▼空港のロビーは、迎える人たちと迎えられる人たちの交歓の場と化していた。♪、「山は青き故郷/水は清き故郷」。