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2011年11月14日(月) 22:39

「TPP」(行雲流水)

 グローバリズムと新自由主義が世界を席巻している。あるのは共存共栄ではなく、国境を越えた規制緩和と市場原理に基づく弱肉強食の世界で、国家間でも国内でも貧富の二極化が進んでいる



▼国論を二分したTPP(環太平洋連携協定)について、多くの疑問を残したまま、野田内閣は交渉参加を決めた。TPP参加は自動車等の輸出産業に有利になるが、関税よりも為替レートの操作に対処する政治・政策力こそが重要だという指摘もある


▼問題は農業等の一次産業の衰退が懸念されることである。食糧輸入の増大は避けられず、地域農業を支える基盤そのものが崩壊の危機に直面するとみられる。この協定は貿易量からみて、実質的には日米協議であり、オバマ政権は、米国の国益のため、露骨に日本政府に圧力をかけてきた


▼現在、沖縄のサトウキビ生産の場合、輸入関税を財源に農家への交付金を支給している。コメには砂糖の2倍以上の関税が課されている。関税が撤廃されて輸入量が増えたとき、農家所得を補償し続けることは事実上不可能である


▼日本の医療皆保険制度も狙われている。政府は、保険診療と保険外自由診療を併用する「混合診療」の解禁について、取り上げられる可能性を示唆している。「人の命に格差をつける」、医師会の反対は当然である。他にも、日本の諸制度の変更を求めてくることが予想される


▼国内のどこでも、すべての国民が、人間らしく生きられる国にすることを政治判断の基準にすることを、国民は求めている。