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2011年11月19日(土) 23:12

シリーズ 島のくらしと環境〈4〉

どうする海洋(漂着)ごみ
島の現状、世界にアピール/歯科医師の 大城 智さん


特に北海岸は、さまざまな漂着物で美しい砂浜が覆われている

特に北海岸は、さまざまな漂着物で美しい砂浜が覆われている

 島の抱える問題に漂着ごみがある。近年では海洋から入ってくる漂着ごみが、せっかくの美しい砂浜の景観を損ねている。このことに危機感を抱く歯科医師の大城智さん(55)は、「景観だけでなく、生態系にも影響を及ぼすことがわかってきた。これは島規模の問題ではなく、国際的な課題だ」とし、昨年から海岸の清掃や独自の調査のもと、ネット上で情報開示を始めた。



 最初、海浜の汚れがひどいので家族や友人たちとごみ拾いを始めた大城さん。よく見るとペットボトルや洗剤の容器がハングル文字など、海外から流れて来ていることが分かった。放っておけないとして「ゆうやなうれ宮古島プロジェクト」をネット上で立ち上げ、世界に島の状況を訴えることにした。「東アジア諸国の経済発展に伴ってごみの量はますます増

現状を憂える大城智さん

現状を憂える大城智さん

加していくものと思われる」


 まず海洋ごみには五つの大きな問題があるという。プラスチック原料に含まれる有害物質による生物や人への影響。蓄積することで海の生き物やサンゴ、海岸線の植物などに対する影響。外国語で中身が確認できない危険物や環境汚染物質が漂着する恐れ、清掃作業に多大な労力が必要となること、有害漂着物を安全に処理するための方法など、地方行政単位では負担が大き過ぎると話す。


 大城さんは、国際社会に海洋ごみのルール作りを急がせようと去る3月、ハワイで行われた第5回海洋ごみ国際会議に参加し、宮古の実情を訴えた。宮古の問題は、実は世界中の島々が抱える問題として大きく取り上げられ、同会議の提言として「世界の小さな島々における独自の解決策の必要性」の文言を盛り込んでもらうことに成功した。


 大城さんは「離島での有効的なごみ処理方法を見つけるため、世界のネットワークで情報、意見を集めている。ただ、私たち市民は、誰かが手を差し伸べるのを待つだけでなく、一人一人、できることをやって島を守っていくという意識が大切」と話す。