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行雲流水
2011年11月25日(金)23:05

自衛隊配備(行雲流水)

 与那国島の西崎に、「日本最西端の碑」がある。島の面積は伊良部島よりやや小さい28.95平方キロ。人口は多良間島よりやや多い1600人余


▼与那国は芸能ゆたかな島で、棒踊、舞踊、組踊、狂言、獅子舞、弥勒などがある。それらは「与那国島の祭事の芸能」として85年、国の重要無形民俗文化財に指定された。また、自然景観にもすぐれ、「ティンダバナ」「久部良パリ一帯」「サンニヌ台」は県の名勝に指定されている

▼昔、与那国島には〝鬼虎〟という豪傑がいた。琉球王府は鬼虎の討伐を仲宗根豊見親に命じた。鬼虎は幼少のころ、狩俣から連れていかれ与那国島で成長した。豊見親は鬼虎を攻め滅ぼし、琉球王に臣下としての義を果たした

▼あれから500年、与那国島が渦中にある。中華民国は島から指呼の間に望むことができる。82年、花蓮市と友好都市を結んだ。09年7月、浜田靖一防衛大臣は、与那国島に自衛隊配備の検討を表明。自衛隊誘致を要請した外間守吉町長は歓迎し。島は誘致派と反対派に二分される

▼報道によれば、10年12月、政府は新防衛大綱を閣議決定。「中国の軍事動向は地域・国際社会の懸念事項」とする。宮古島市と石垣市に中隊規模(約200人)の実戦部隊、与那国町に沿岸監視部隊(約100人)を配備する計画のようだ

▼今年3月、伊良部地区で「下地島に自衛隊を誘致する住民の会」が発足した。宮古・八重山の自衛隊配備をめぐる攻防は、将来を左右する分岐点の様相を呈している。〝鬼虎〟はこの攻防をどのように見ているだろうか。

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