2011年11月30日(水) 23:15

「日中首脳会談」(行雲流水)

 きょうから師走。中旬には野田首相が訪中し、東シナ海における排他的経済水域の境界画定について話し合う模様だ



▼国連海洋法条約(1996年)は、沿岸から200海里以内の海域を「排他的経済水域」とすることを認めている。そこでの海洋・海底資源については、沿岸国が管理・開発権を持つ


▼問題は、隣接国の200海里が重複する海域はどうなるかだ。国連海洋法条約は二つの異なる方法を認めている。一つは中間線説-単純に両国領土間の中間線を排他的経済水域の境界とする、というもの。もう一つは大陸棚説-大陸棚が続いている場合には大陸棚の延長先までを含めることができる、というもの。どちらによるかは当事国間の協議に委ねるとしている

▼なぜ、二つの方法が併存するのか。国連海洋法条約の策定作業は20余年に及んで難航し、その間、多くの海域で紛争が多発。条約の締結が急がれたため、各国の主張を盛り込まざるを得なかった


▼東シナ海では、日本は中間線説を、中国は大陸棚説をそれぞれ主張しているため、協議は頓挫。代わりに、漁業については日中漁業協定を結んで秩序を保っている。しかし、尖閣、台湾、先島近海は別途委員会を設置して協議するとして協定本体から外されている。ガス田開発と同様、領土問題が影を落としているからだ


▼中国は、1992年の領海法改正で尖閣を中国領土として明記した。軍部の意見が外交部の意見を抑えた結果だと言われる。波静かな東シナ海の将来が展望できるかどうか、首脳会談に注目したい。