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私見公論
2011年12月3日(土)22:52

「宮古島の活性化とバス路線」を考える/渡久山 明

私見公論⑨


 車社会となった現在では考えられないことですが、私が東平安名崎を初めて見たのは大学卒業してからでした。東平安名崎だけではなく、地方へ行ったことが小・中学生時のバスでの一周遠足で行った3、4回程度です。非常に少ないようですが、市内育ちの人の平均的な数字だと思います。理由は、それは地方への用事がなかった、ということになりますが、ほとんどの方が車を持っていなかったことや、なにより小遣いがなかったことでしょう。ただ、小学校にあがるまでには各地への路線バスは運行していたのですが、路線バスを利用する意識が日ごろからなかったことも確かで、小学生の時に野球試合で狩俣まで、また、中学校の時には宮古製糖まで自転車で行ったりしました。地方に用事をつくらないようにしたのかもしれません。


 バス路線を考えることがない自分でしたが、観光業務に携わったことで、一般乗り合いバスを利用したい、との観光客に対し、バス路線を説明したことで宮古のバス路線については改めて考えるようになりました。

 正直申しまして、車を使うようになり個人的には路線バスを使う必要性を感じないのですが、今後の宮古島を考えたときに路線バスは必要ないのか、今のままで敢えて変えることもないのかを確認したい気持ちがあり、自分の思いを書いてみることにしました。

 ただ、バス運行にかかる法律等の縛りや、現状の問題等について知識のない私のしろうと考えで無責任な面がありますので、聞き流す程度にしていただければと思います。

 市町村合併により地方の中心であった役場もなくなり、今後、地方の過疎化はより急速に進むように思います。もちろん、バス路線の改編でこの流れが簡単に変わるとは言いませんが、車社会となった現在でも、小中高生をはじめ車を使えない方も相当数おりますし、人の移動手段としてのバス路線の影響は大きいものがあると思います。また、宮古圏域ひとつとしての島づくりが大きな転換期にある現在、団地の建設とか、事業を行うときなど、バス路線は大事な条件の要素であることはいうまでもなく、たとえば、現在問題になっております学校統廃合の問題もバス路線の編成もあわせて考える必要があるのではないでしょうか。

 近年、宮古において大店舗がいくつか進出し、宮古の商店が相当数減少しております。特に市街地の減少は大きいように思います。人口規模で同じぐらいの隣の石垣島と変化が違いすぎるのではと思います。石垣島の場合、離島桟橋、役場、バスセンター、祭り広場等が隣接していることで、島の核となる場が形成され、市内の市場や商店が大きな駐車場をもたなくても集客できるような環境にあるのではないでしょうか。車でまとめ買いに走りやすい宮古の状況に大店舗の入るスキがあるように思います。

 将来に向けては、市街地を島の核として形成することも必要であり、それには、バスセンターが大きな力となるはずです。市街地と空港、地方、そして、地方と地方との人に移動を良くするためには、ある程度周遊型の路線に変えていくことにより将来的には利用客も増やせるのではないかと考えます。もちろん、どんなに改善しても採算を取ることは不可能に近いことですので行政の財政支援等を前提にしなければならないのですが、官民一体となって取り組む課題だと思います。また、現空港の送迎線は、一般、タクシー、レンタカー等で混雑しており、苦情もたびたびあるとのことですので、5~6線の乗り合いバスが入れる状況にないのですが、将来的には今の管制塔の場所をバス利用へとかえることができればよいのではないでしょうか。

 沖縄のゆいレールのように方言案内があったり、市の広報案内等、可能であれば「宮古歴史の日」との企画ができ、楽しい路線バスになれば利用客も増えていくものと考えます。

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