2011年12月10日(土) 22:04

洲鎌 加代子さん(57歳)/金融広報アドバイザー

子どもたちに正しい金銭感覚を


洲鎌 加代子さん

洲鎌 加代子さん

 小さくなった鉛筆を示して「これは何ですか」と子どもたちに問う。はいはい、「ちびっこ鉛筆」。子どもたちは思い思いの答えを出す。「みなさん、ここまで使っていますか」。「…」子どもたちは返事に困っている。「鉛筆を買ってくれたお父さんやお母さん、作ってくれた人たちに感謝できたら、大事に使いますよね」。洲鎌さんの金銭教育は、物の大切さや働くことを尊ぶ考え方を身に付けさせることから始まる。



 普段何気なく使っているお金。生活の中で欠かせないお金の存在を正しく認識して使うために学校や自治会、サークルなど子どもから大人までを対象とした講演会や学習会などを各地で行っている。県内で10人、宮古島の担当は洲鎌さん一人。10人以上の参加人数で要請があればどこへでも駆けつける。学校関係の園児・小中校生では、おこずかい記帳や金銭教育など。高校生や大学生、一般の人たちにはクレジット、多重債務などの話が中心となる。「特に、高校生は巣立ち教育として、カードの使い方や金融教育などで、トラブルに巻き込まれない独り立ちするための大事な教育だと思っている」


 県民生活センター宮古分室で勤務していたころ、一般消費者からの苦情や相談を受け、トラブル解決に業者との交渉も行った。そのころ感じたことは、特に小さい子を抱える母親の悩みや不安は大きく、トラブル対処だけでは足りない何かがある。解決後も共に考え支える者が必要ではないかと考えていた。


 そんな時、旧平良市教育委員会の委嘱を受け、平良中の自立支援指導員に。不登校や問題行動のある生徒の支援を行うことになる。その後、スクールソーシャルワーカー(学校社会福祉事業員)として、児童生徒だけでなく、保護者や学校職員などもサポートしていく。こうした流れの中で、沖縄県より委嘱を受け宮古島市担当の金融広報アドバイザーとして活動することになった。


 この日は、伊良部島にある佐和田児童館で園児や小学生を対象とした講話。「お金は一生懸命働いてその代償として得られるもの。また、物を大切にすることは感謝につながる」など、穏やかで説得力のある洲鎌さんの話に子どもたちは目を輝かせながら聞き入っていた。


 洲鎌 加代子(すがま・かよこ)1954年6月25日、平良に生まれる。1999年から2004年まで県民生活センター宮古分室勤務。04年から08年まで平良中の自立支援指導員に。その後、スクールソーシャルワーカーとして現在に至る。10年から県金融広報アドバイザー宮古島市担当。