2012年1月1日(日) 9:01

変革の時代 乗り切る/下地敏彦市長インタビュー

天然ガスの芽出しへ/公約総仕上げの年に



新年に向けての抱負を語る下地敏彦市長

新年に向けての抱負を語る下地敏彦市長

 2011年は市葬祭場や下里公設市場の供用開始など、懸案だった大型事業が完成した。12年は、昨年調査を実施した天然ガス事業の芽出しを進めるほか、来間島再生可能エネルギー自活実証事業などに取り組む。新春インタビューで今年の抱負や取り組みを下地敏彦市長に聞いた。



2012年は激動の年になる


 今年はもろもろの分野で激動の年になる可能性がある。今まで持っていた制度や仕組みが大幅に変化する、あるいは変更せざるを得ない年になるだろうと思う。
 問題の先送りができない。新しい年で解決策を提示し、市民と一緒に進めていく年になると思う。ある意味では痛みが伴うことも考えられる。それを皆で乗り越えていかなければならない大きな変革の時代だと感じている。
 例えば、貿易、農業政策、公共事業の削減など今まで宮古島を支えてきた経済の仕組みが大幅に変化する。それに伴い影響を受ける分野も出てくることが十分に予想され、覚悟しながらいろいろ進めていかなければならない年になると思う。
 新しい新振興計画ができる。これまでも県に対して市としての意見も提案して、一部は認められた。振興計画をしっかりとした予算の裏付けができるように進めてもらいたい。
 今年は今まで以上に変革が進んでくると思う。例えば一括交付金の制度がどうなるか。一括交付金になれば、今までの補助金の仕組みが全面的に変わる。市の取り組みも全面的に変わる。
 下地島空港の利活用についても新たな展開が考えられる。
 環太平洋連携協定(TPP)で全ての産業にどのような形で影響が出るかなど、市としても市民に不安を与えないように、あるいは安定した生活ができるようにするためにはどうすれば良いのかという課題を考えなければならない。


公約の総仕上げに全力で取り組む


 早いもので市長に就任して3年。今年は4年目になる。これまで市民に約束してきた公約の総仕上げの年。公約通りできた部分もかなりあるが、まだ残された部分もあるので、その公約の実現に向けて全力で取り組みたい。例えば天然ガスに関することは、ぜひ芽出しをしておきたい。
 2012年度に試掘までもっていけるように国に予算を求めている。


子どもの教育環境正面から論議必要


 教育委員会が学校規模適正化と言っている。学校の統廃合と言っている訳ではない。適正規模にしたいということなのだが、どうも統廃合と受け取られている。まず認識が基本的に違っていると思う。
 私どもは子どもたちの教育環境を整備したい。そのためには適正な規模の学校でなければだめなんだと言っている訳だが、それが地域の振興を妨げる、あるいは地域がなくなるという形でとらえられている。地域とある程度密接に関係した学校があったということは分かるが、やはり子どもの教育をどうするか。これだけ少子化が進んでいて、推計でもますます減少する中で、4~5人の複式学級を続けて、その子どもたちは本当に幸せな教育環境の中にあるのか。
 子どもの教育環境に焦点を当てて、子どもの教育環境の在り方を正面から論議することを進めてほしい。その後で地域の振興をどうするという問題なら分かるが、ここは学校の規模の適正化をどうするという点に焦点を合わせた形で論議を深めてほしい。
 教育委員会は現在地域の説明会、意見交換会を行っている。その後教育委員会は今出している基本方針について、協議すると言っているので、その最終案を見極めて対処したい。


下地島空港維持に一部負担も考える


 どのような形で下地島空港を使うのか。私どもは緊急時の災害拠点基地として使ってほしいと言い続けている。県も同様の考えであるので、ぜひ、その方向での活用を引き続き県に強く要請していきたい。
 日本航空(JAL)が撤退した場合に空港を維持管理するための予算確保については、県からは今のところ協議の持ちかけや、打診は全くない。
 県営の空港なので、県がどのように活用したいという県のビジョンなり、考え方がないと県としても宮古島に協議を持ちかけることはできないと思う。
 下地島空港については、JALが訓練から撤退することになれば、空港をそのまま維持することは非常に困難になる。これは県も同じ認識を持っている。
 まずは県が空港の活用をどうするかという計画を策定して提示してもらうのが先だと思う。
 市が要求している災害拠点という形であれば、何らかの形の協力はせざるを得ないと思う。市が望む方向で活用できるのであれば、実現すれば相当の雇用を創出する可能性があると思うので、空港を維持するために一部負担をすることはやぶさかではない。言葉を換えれば企業誘致になるので、それに対する支援策は当然考える。
 残地については農業的利用ゾーンの動きが具体的になる。2月には計画も仕上がってくる。地域の人たちにその説明をする。宮古島全体で農業をやりたいという人にも説明をしながら、そのゾーンをどのように活用するかを検討したい。


漲水港以外の港も検討課題


 漲水港をどうするかが先決だとは思うが、10年ぐらいはかかる可能性もあるので、その状況を見据えながら、現在県が進めている防災計画の見直しの状況と合わせて考えたい課題の一つ。港が一つというのは危ないなという状況は分かるので、今後前向きに検討していきたい。