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私見公論
2012年1月13日(金)22:54

「シナ」等の貝類の増産を期待する/渡久山 明

私見公論14


 サッフィ(字西仲の浜)で泳いで育った私は、今でも海が好きで度々海を見て心を癒やされ元気をもらっております。最近久しぶりに池間島に行き、陽光に青く輝く海に少しばかり感動を覚えると同時に、海浜にカニ等の生き物が意外と少ないことが気になりました。


 今さら、50年前のことを話してもしょうがないとは思いますが、そのころの平良港周辺の海には、裸足では立てないほど枝サンゴ、海草等にアゥムリャなど色とりどりの魚が群がり、浜にはミミズや二枚貝、巻貝等、とにかく生き物が数多く棲息しておりました。そして荷川取の海ではウルスを採るおばさんの姿がよく見えたもので本当に豊かな海がありました。

 今回は、この美しい宮古島の海を求めて来島する多くの観光客にこの海の産物(貝、海藻類)を提供することで宮古島の魅力をより感じてもらいたいとの思いを書いてみました。海の産物といいましても限りがありませんので、特にシナやミパギズナ(シナより一回り大きな3センチほどの二枚貝)などの貝類です。最近は、スーパーで本土産のアサリやシジミ等が毎日というほど販売されているのに、地元宮古島の貝がほとんど見られないことをなんとかできないものか、と思うばかりです。

 私が小学生のころは、久松の海でとれたミパギズナやツヌガンなどがよく売られておりましたし、与那覇湾や西崎浜の遠浅で子供の私でもエビやミパギズナがバーキの半分ぐらい採れるほど豊かでした。宮古島周辺の海はどこも豊かだと思いますが、特に、与那覇湾、西崎浜沖に広がる浅瀬の砂浜、そして間那津の海など、伊良部島と宮古島に囲まれた海浜は、沖縄でも有数の豊かな海ではないかと考えます。そして、年中穏やかであるし広さもそれなりにありますので、先に言った貝類、海藻類の育成や養殖に適しているのではと、漠然とではありますが考えます。

 平良の海は、昭和40年ごろからサンゴがだいぶ減少してきましたが、今では、平良ばかりでなく島周辺全体に殺伐とした海が広がってきておりますし、貝類の収穫も大分減少しているように思います。

 こうした厳しい環境のなかにも、漁業の皆様は車エビ、モズク、アーサ、海ブドウの養殖や、稚魚、稚貝の放流等に頑張っていることに敬服している一人ではありますが、後ひと踏ん張りしていただいて、こうした二枚貝をはじめとする貝類の増産ができないものかと願う者です。

 もちろん、それには多くの問題があり相当なエネルギーを要することと思いますが、禁漁期間や保護区についての条例制定等も行うぐらい宮古圏域一体となった体制づくりができたら可能性はどうでしょうか。

 アーサやンキャフ(海ブドウ)は養殖がされておりますが、ウルの増産もできればうれしく思います。佐和田の海では今でも採れているようですので、増産されて多くのウルイが提供されるように期待したいです。

 観光において食の楽しみは大きく、どこどこのなにはおいしかった、との思い出話をよく聞きます。特に、リピーターや、富裕層客は食への関心が高いようですので、リピーターの増大を図り安定した観光発展のうえでも食分野の向上は必要であると思います。

 また、海産物の増大は独自の土産品の開発にも結びつくこともありますし、「宮古島のウルイやシナ汁は最高!」と言われるようになればそれ以上のことはありません。

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