ワクチン接種率が低調/ヒブと肺炎球菌
無料実施、市が呼び掛け
今年度、国が3種(子宮頸がん、ヒブ、小児用肺炎球菌)ワクチンの助成を決定し、これを受けて宮古島市が接種費用を無料で実施しているヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンの接種率が低調となっている。子どもの髄膜炎が予防でき、これまで高額だった接種費用が無料で受けられることから、市福祉保健部健康増進課では対象者の保護者に積極的な接種を呼び掛けている。
これまで両ワクチンは任意接種で、さらに高額なことから公費での助成が待ち望まれ、今年度から費用負担を国、市が行うこととなり無料で接種できるようになった。対象者には市から予防接種通知書がすでに送られている。
市の今年度予算はヒブワクチン接種分で2280万円、肺炎球菌ワクチン接種分で3760万円となっている。
ヒブワクチンは2~7カ月未満児が4回接種(費用約3万5000円)、7~12カ月未満が3回接種(同2万7000円)、1~5歳は1回接種(同9000円)。
肺炎球菌ワクチンは、2~7カ月未満が4回接種(費用4万5000円)、7~12カ月未満が3回接種(同3万4000円)、1~2歳が2回接種(同2万3000円)、2~5歳が1回接種(同約1万2000円)となっている。
同課によると昨年6月現在でヒブワクチンの対象者は2871人。そのうち、同11月末現在の接種数は延べ844回にとどまっている。
肺炎球菌ワクチンの対象者は2890人で同11月末現在の延べ接種件数は768件となっている。
同課では「対象者はぜひ、1回目の接種を今年度中にやってほしい。また、体調不良などで2回目以降の接種ができていない場合でも決められた回数の接種を受けてほしい」と呼び掛けた。
接種方法は、各医療機関での個別接種となり対象医療機関は▽いけむら外科胃腸科肛門科▽いけむら小児科▽いしみねクリニック▽下地診療所▽きしもと内科医院▽下地内科医院▽城辺中央クリニック▽ひが小児科医院-の8カ所。
両ワクチンは細菌性髄膜炎を予防する。細菌性髄膜炎はHib(ヒブ・インフルエンザ菌b型)や肺炎球菌などの細菌が脳や脊髄を含む髄膜の奥まで入り込んで起こる病気。
細菌性髄膜炎には原因菌があり、ヒブが約6割、肺炎球菌が約3割近くを占めるとされている。
年間1000人近くの子どもが発症し、約5%が死亡、約25%に手足のまひや発達の遅れ、難聴、てんかんなど後遺症がみられるという。