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2012年2月22日(水) 22:33

「2.26事件」(行雲流水)

 復興庁がようやく発足した。今回の震災は、日本の歴史を変えた明治維新、太平洋戦争に次ぐ第三の試練だと見る向きがある。今一度「日本を洗濯する」(坂本竜馬)ことができるかどうか



▼国家改造といえば、76年前の昭和11年2月26日、陸軍の青年将校が起こしたクーデター事件があった。太平洋戦争への一里塚になったともいわれる「二・二六事件」だ。この事件と宮古島とは、いささか因縁がある


▼青年将校たちに思想的影響を与え、共謀したとして処罰された民間人に北一輝(死刑)、西田税(死刑)、亀川哲也(無期禁固刑)がいる。亀川哲也は平良字下里の出身だ。宮古にいたころの名前は天久恵栄


▼明治44年に県立一中を出て砂川小学校で代用教員をした後、台湾総督府、会計検査院、逓信省に勤務。その間早稲田大学に学び、事件当時は東京で経済研究所を主宰していた(「平良市史・資料編(考古・人物・補遺)」)


▼他方、戦時中宮古島に駐屯していた歩兵第3連隊は、二・二六事件の実行部隊だった。事件後満州へ追いやられていたが、第28師団の構成連隊として満州チチハルから宮古島に移駐してきた。部隊の幹部は亀川哲也の足跡をたずねて、運命の糸を感じると語っていたという(当時の砂川小学校教員の回顧談)


▼二・二六事件は、異端の歴史の一こまだが、後世の目で現在を捉えることの大切さと難しさを示唆しているようにも思える。現在の世相や改革の方向は、後世の目にはどう映るのか。76年後の日本は、そして宮古島はどうなっていることやら。