2012年3月7日(水) 23:18

「3・11」(行雲流水)

 間もなく「3・11」から1周年。もどかしい1年だったような気がする。国会は何も決められず、縦割り行政の壁は厚く、いまだにがれきの処理さえままならない状況だ



▼1923年の関東大震災では、わずか1カ月で復興院を立ち上げ、後藤新平総裁の一元的指揮の下で大胆な復興計画に取り組んだ。しかし、今年2月に発足した復興庁は、他省庁に対する指揮権はなく、勧告権があるだけだ


▼次なる地震の警告も発せられている。東日本大震災の震源域が500㌔㍍にも及んだことで、日本列島の地殻構造が不安定化。首都直下型巨大地震が起こる確率が高まっているという。果たして復興庁は、首都大震災に対処するモデルになり得るだろうか


▼国の政治・行政の仕組みを変えることは至難のワザのようだ。沖縄振興一括交付金制度の行方も気になる。交付要綱がいまだ決まらないからだ。おそらく、内閣府沖縄振興局と総務省・財務省との折衝が難航しているのだろう


▼実務を担当する役人は、財政法や予算執行適正化法などとの整合性を重視する。政治家の〝口先介入〟だけでは改革はおぼつかない。「政治主導」を言うなら、こうした一般法に優先する特別法の立法を急いでほしいものだ


▼3・11以後の日本は変わるだろうと期待された。しかし、中央の政治エリートたち(国会議員、官僚)の意識は少しも変わっていないように見える。大阪で吹き荒れている〝橋下旋風〟は、こうした国民不在の党利党略や硬直した行政に対する〝イライラ〟の表れではないだろうか。