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行雲流水
2012年3月9日(金)23:21

「サンシンの日」(行雲流水)

 三線を沖縄文化の原点と捉え、三線の良さを再認識し、受け継いでいこうとの趣旨で琉球放送が提唱し、1993年「サンシンの日」が制定された。その日を機に市総合博物館では、第20回企画展「さんしん展」が催されている


▼企画展関連講演会が先日開かれた。講師は三線演奏家の兼城克夫氏(元宮古支庁長)。「三線音楽の伝承・伝播とその意味について」、熱っぽく自説を披露

▼民謡音階の比較研究を通して、「トーガニ調」が基本旋律であること。トーガニ調は、宮古地域内外に伝承・伝播した可能性を強調。その後、興味ある自説を展開

▼1390年、与那覇勢頭豊見親は、初めて中山(琉球)に朝貢。豊見親は20人の若者を足かけ3年滞在させ、琉球語などを学ばせた。その中の高真佐利屋という者は、故郷宮古に思いを馳せ、毎夜「阿屋具(あやぐ)」を歌ったという。兼城氏はこのあやぐに注目。その源流を中国に求める

▼大浦多志豊見親という人がいる。この人は中国福州の出身で、動乱を避けて宮古に移住。動乱とは元から明に変わる激動期の1360年代。与那覇勢頭より前だ。大浦多志の宮古移住の目的は宝貝だと説く。福建省の少数民族にクイチャーに似た円陣舞踊があるという。集団移住した福建系の人々が「あやぐ」や「クイチャー」を広めたのではないかと。このあやぐが、高真佐利屋のあやぐに通ずるのではと説く

▼「トーガニ調」のあやぐから見える宮古の奥深さを力説。高真佐利屋のあやぐが、福建の少数民族に息づいているように聞こえる。

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