2012年3月14日(水) 22:48

「高校入試昼食時」(行雲流水)

 去る8日。地元2紙は三面記事トップに拡大写真を添えて「愛情弁当で頑張れ」(本紙)、「家族、親戚らと昼食囲む」(宮古新報)の大見出し記事を掲載した。付言するまでもない。高校入試昼食時の光景取材記事である



▼人さまざまで昼食光景を8段抜きで大々的に報じなければならないものかと疑問視し批判する声も耳には入る。しかし紙面は単に昼食光景を報じているのではなかったはず


▼ほっと一息ついた面持ちでおいしそうに〝おもいやり弁当〟をほお張る受験生。円陣を組んでやさしい目線で受験生を穏やかに見守る家族。東日本大震災を機に強調され再認識されている「絆」。記事はいずれも行間に親子や家族間のほのぼのとした絆を温かく見据えている


▼愛情弁当・お母さんの弁当はうれしい・手づくり弁当はおいしい・家族の応援は心強いなど、受験生の親や家族に対する感謝の気持ちも細大もらさず明記しているのはその証しと言えよう


▼中央の映像メディアが執拗に報じる芸能人の不倫騒動や離婚沙汰。痴情もつれの殺傷事件等々。へきえきするニュースが引きも切らず押し寄せてくる今日世情なればこそ地元紙の地元紙たる明るい取材記事は読者を魅了し共感されるのである


▼すでに風物詩として定着している宮古ならではの高校入試昼食時の光景。受験生から感謝された母親自身がかつて高校受験生として同様に母親の愛情弁当を共にしたことを目を潤ませて懐かしく語る。心の絆の連鎖は美しい。