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行雲流水
2012年3月26日(月)23:19

「TPP」(行雲流水)

 農文協(農山漁村文化協会)の発行する月刊誌『現代農業』は、農家の持つ技術や知恵を収集し、かつ研究者の技術・研究を農家に伝える農業総合雑誌で、発行部数は約20万部である


▼その4月号に農文協論説委員会の「主張」が掲載されているが、米韓FTA(自由貿易協定)の内容を踏まえて、あらためてTPP(環太平洋連携協定)の危険性を指摘している

▼米韓協定によると、コメ以外の品目は原則関税が撤廃される(学校給食で、食材に地元農産物を優先するのは非関税障壁にあたり、協定違反になる)。韓国政府が公的健康保険制度を強化すると、保険市場の縮小を理由に米国保険会社は損害賠償請求をすることができる。米企業に対しては韓国の法律よりも協定を優先適用する(韓国では食用にできない牛の部位も米国の基準に適合しておれば輸入を認めなければならない)

▼この協定は不平等協定であり、韓国国民にとっては屈辱的なものである。ところが、米国議会はFTAで韓国から引き出した以上の譲歩を日本に求めたい意向だという(日本経済新聞)

▼「資本」の競争の激しいグローバル化の時代には、人間生活領域と大企業(資本)の領域は大きく乖離する。大企業の利益は従業員の賃金にすら還元されず、内部保留や海外投資に向かい、国内産業を空洞化させ、雇用を奪っている

▼大事なことは、この日本の大地に根ざし、地域の循環型産業と雇用をどうつくるかという視点で、TPPはその敵対物である、と農文協は主張している。

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