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2012年4月21日(土)22:21

荻野 鉄也さん(28歳)/ミュージシャン

音楽通して人の輪を


荻野 鉄也さん

荻野 鉄也さん

 2003年8月に宮古に来た。久々の大型台風マエミーの洗礼を受ける。「カルチャーショックだった。台風の大きさもそうだが、あの状況下で何とかなるさーと平然としている島の人たちを有り得ないと思った。ここには何かある」と感じたのが住むきっかけに。それは高校3年生の途中。大阪から宮古の高校(当時の定時制)に転校して移住生活が始まる。


 中学生のころからたしなんでいたハーモニカで宮古のミュージシャンたちとつながる。ロックやブルースにかぶれ、アメリカに行ったりした。今では、宮古のミュージシャンに付いて観光地でライブ出演したり、古謡集録の手伝いをしたりと、どっぷり宮古にはまっている。「音楽を通してつながる人の輪を大事にしたいと常に思う」

 最近特に力を入れているのがウクレレ。「宮古ではここ5,6年フラの人口が増え、ハワイアンを学びたいという若者たちが多くなった。昨年から平良で始めた教室は現在、4歳の子から70代の主婦まで約30人が通う。ハワイアン系とポップス系に分かれるので、多くの楽曲をマスターしなければならない」と話し、常に学びの日々。先月は現地体験で中高校生らとハワイに行った。

 「気候や風景が宮古と良く似ている。サトウキビ畑も多いし、それに文化を大事にしている。あいさつとしてみんなが唱えるアロハの訓えも、思いやりや助け合い、謙虚さ、辛抱強さを盛り込んだもの。形にとらわれない根本的な精神がハワイアンにはある。伝統フラや現代フラ、それぞれ音楽の趣向はあるものの基本的姿勢は変わらない。人をもてなしたり、楽しませたりする精神は宮古ととても似ている」と話し、これからの友好関係に期待する。

 5月には、ジャズバンドグループでCDをリリースする。ブラック・ワックスという4人のメンバーでドラム・ギター・サックス・ウッドベースのセッション。荻野さんはウッドベースを担当する。あらゆる楽器をそつなくこなしていく才能は天性のもの。「宮古の良いところはやっぱり人だと思う。大らかで温かい。一人一人不思議な個性をもっている。これからも音楽を通し、いろんな人たちとつながりたい」

 荻野 鉄也(おぎの・てつや) 1983年9月13日、大阪堺市に生まれる。三国岡高校中退、宮古高校(定時制)卒。17歳で宮古に移住。2007年ハーモニカでホーナー(ドイツ)・ブルースハープ部門3位入賞。2011年からホメアロハ教室開設。

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