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行雲流水
2012年4月28日(土)23:19

「環境問題」(行雲流水)

 去年のひと夏、暇があれば海辺で孫と遊んだ。彼は巻貝、二枚貝、ヒザラガイ、ヒトデやクラゲといった海の生き物に興味を持ってくれた


▼今年、春休みには野の花に興味を持ち始めた。ユリ、ハマオモト、ナズナ、ハマウド、キケマンといったどこにでも生えている野草のほかに花の咲く木を見つける楽しみも知った

▼人の気配のない海辺や林の周りを二人で歩きながら気がかりなことがあった。ごみのない場所を選んで行ったつもりでも、所によっては空き缶、ペットボトル、レジ袋の包みが転がっているのである。ごみのことは意識的に話題にしなかったが、迷いはあった

▼彼はごみのことは全く気にも留めていないだろうし、ごみに関心を持ってもいないだろうと思う反面、今の時期から話題にすべきではないのかなどと自問自答しながら、結局「ごみの話はやらない」ことにした。生き物や草木に興味を持ち始めた今の彼には必要ではないと思ったからである

▼ところが、キョウチクトウの花を見たいと言い出したとき、工業高校から西へ総合グラウンドに沿ってキョウチクトウがあったことを思い出し、そこまで歩くことにした。しかし、そこにキョウチクトウはなかった

▼彼は、「キョウチクトウは、排気ガスにも強くて街路樹にいいのにどうしてとってしまったのかね」と疑問を投げかけた。環境問題は、普段の生活や遊びの中で自ら考えるものだと気付かされた。環境に関するあまたの論議を引き合いにするまでもなかろう。そう思った。

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