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2012年5月12日(土) 22:50

「沖縄県民のアイデンティティー」(行雲流水)

 2009年12月、株式会社岩波書店が発行した「国家とアイデンティティーを問う」の岩波ブックレット772は2人の政治学者と社会思想学者が司会する論議をまとめたものである



▼北朝鮮のミサイル発射に対処するPAC3配備騒動、その直後の東京都知事の尖閣諸島買い取り発言があって前記の冊子を書棚の奥から取り出した。議論のなかで「沖縄」がキーワードになっていたからである


▼司会者は対談の趣旨説明で「国民国家においては、それ(どのような属性をもったどんな人間が国家の決定の主体となりうるかというアイデンティティーの問い)はナショナリズムの問い」であることを含めて議論を進めたいと両者に問いかけている


▼私たちの頭上にミサイルを飛ばす北朝鮮、尖閣諸島の領有権はわれにあると喧伝する中国、かの国の指導者たちは他者を排除し民族優位を政治原理とする国である。そのような隣国に対して日本政府の対応はどうであるかを考えてみたいと思った


▼北朝鮮のミサイル発射日程に合わせてPAC3を県内に配備する際、政府の姿勢は腫れものに触るようなものであった。なぜか?沖縄のいわゆる民主団体やメディアに遠慮してのことなのか。それとも中国への配慮か


▼都知事のアメリカでの表明は、政府に対する痛烈な批判であり、沖縄県民のアイデンティティーを問うものであろう。平和維持はすべての人が望むところであるが、武力をもって威嚇する者に屈する理由にはならない。政府が国土と国民を守るのは当然の責務である。