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行雲流水
2012年6月6日(水)23:06

「本土復帰40周年目の沖縄」(行雲流水)

 「慧眼」という言葉がある。物事を鋭く見きわめるという意味をもつ。3年前琉球新報紙で発表されたガヴァン・マコーマック氏の普天間移設問題をめぐる日米政府の対応についての論評を読み返すと改めてその言葉がよみがえってくる


▼氏はオーストラリア生まれのオーストラリア国立大学名誉教授である。人物紹介によると東アジアの近現代史主として日本近現代史が専門で「ジャパン・フォーカス」の代表編集者でもある。2008年琉球新報社の「池宮城秀意記念賞受賞

▼氏は論評の中で指摘している。「日本政府は名護市辺野古に普天間代替基地を建設し沖縄の海兵隊8000人はグアムに移動する」「移動先のグアムに日本は移設費用として60.9億ドルを負担する」というグアム協定は不平等で植民地主義的ごまかしだと

▼さらに普天間海兵隊の辺野古への移設対応が進展しないことにいらだつ米政府要人の「憂慮」発言や「警告」ゲーツ国防長官のグアム協定は実行されるべきという「最後通告」におどされ日本政府はぐらついていると

▼その結果時の麻生政権は「沖縄の意思は一顧だにせず…50年以上も使われなかった憲法上の特別措置を引き出してグアム協定を強行採決させた」(同氏)と。一県紙も社説で米政府の「恫喝外交」に従属したと指摘

▼本土復帰40周年目の沖縄。米軍基地は微動だにしない。米国内でも広がる在沖米海兵隊不要論。米下院の有力議員いわく「1万5000人の在沖海兵隊が中国に上陸し何百万人もの中国軍と戦うとは誰も思っていない」と。

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