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行雲流水
2012年6月18日(月)22:49

「新自由主義経済」(行雲流水)

 新自由主義経済が世界を席巻している。市場原理主義による弱肉強食の体制で、富の偏在が進んでいる。「神の見えざる手」(アダム・スミス)によって、全体的な社会利益が実現するという社会機能はとっくに失われている


▼雇用形態の多様化で貧困層が増えて、国民年金に入りたくても入れない人々には、冷たく「自己責任」を押し付け、社会福祉のために税金を払うことをよしとしない層の側に立つ政治のスタンスが、国会審議で見え隠れする

▼TPP(環太平洋連携協定)は、輸出産業のために農水産業を犠牲にするものである。日本の関税率は現在でも低く、EUの約半分、韓国の5分の1である。とても農水産業を守る態勢にはなっていない。だから、東北の被災地の産業を立て直すビジョンもない

▼政府は大飯原発の再稼働を決定した。最優先されるべき安全性を軽視した見切り発車である。ここにも経済の低迷に苦しむ地域にリスクを背負わせ、アメとムチで強いものに奉仕させる構図がある

▼全県民の反対の総意を無視、日米両政府は、来年垂直離着陸輸送機オスプレイを普天間に配備する。この問題は経済問題でもある。「死の商人」と言われる世界の武器輸出の7割はアメリカである(NYタイムズ)。日本は米国兵器を年間2000億円分購入して、軍事的にもアメリカへの従属を深めている

▼「消費税増税」でもしかり。いずれも、憲法に謳われている「全国民の生活を保障する」という視点が欠けていて、強者の論理でことが進められている。

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