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行雲流水
2012年6月27日(水)23:02

「6次産業化支援事業」(行雲流水)

 イモのペースト加工施設が完成した。イモ増産へ向けての必要条件は整った。今後の課題は、効率的な運営を図って「もうかる農業」を実現することだ


▼日本の食糧自給率が低いのは「農業はもうからないからだ」とする説が有力だ。若者の農業離れ、農業担い手の高齢化、耕作放棄地の増加の原因だという。「もうかる農業」は、今や国家的課題だ

▼「農業の6次産業化」が提唱されて久しい。農作物を作るだけでなく、農産物を自ら加工し、最終商品に仕上げて販売するという考え方だ。新商品の開発、販路拡大を試みる農家や事業所には補助や融資がある

▼今年度は、モズクを活用した加工食品開発・製造・販売(糸満)、ジャージー牛の乳を生かした加工品の需要拡大(石垣)など8事業が国の支援を受けることになった(6月7日付琉球新報)▼宮古島市が直接取り組んだ今回の施設建設事業は、明治政府が「殖産興業」を推進した手法と似ている。新技術導入や産業設備投資を役所が直接実行し、徐々に民間へ移管して産業の近代化を達成した手法だ

▼現代では、民間が事業主体になるのが主流だ。富山県は国の施策には全て食らいつくことで有名だが、その要の位置には、商工会議所やJAや役場など指導機関の職員がいる。施策の内容に精通し、事業者の計画書作成を手伝い、研究・加工・デザインなどの専門家を斡旋し、事業者と一体となって支援活動を行っている。宮古島でも、先進地視察・研修などのソフト事業を強化し、ノウハウ習得を急ぎたいものだ。


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