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2012年7月9日(月) 22:34

「ラムサール登録」(行雲流水)

 ラムサール条約は、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地およびそこに生息・生育する動植物の保全を促し、湿地の適正な利用を進めることを目的として採択された条約である。この度、宮古島の与那覇湾が条約に該当する湿地として登録された



▼与那覇湾には大規模な海草藻場が広がっている。また、123種の鳥が生息していて、ヘラシギやクロツラヘラサギなどの珍しい渡り鳥も飛来する。昨年、国から特別鳥獣保護地区にも指定された。国内では北海道の釧路湿原や滋賀県のびわ湖、県内では豊見城市の漫湖など、合わせて46カ所と並んで、国際的に重要な湿原として認定されたことになる


▼ラムサール条約は、環境問題でも先駆的な存在で、現在では広く用いられるようになった「持続可能な利用」という概念をその原則に取り入れてきた。その考えは生物多様性条約や気候変動枠組条約等にも反映されている


▼もともとは、水鳥の生息地を主な対象としてきたが、現在では広範囲の自然環境の保全という観点で、マングローブ林やサンゴ礁、地下水系なども指定、登録するようになった


▼条約が求めるのは、湿地の「保全・再生」と、湿地の生態系を維持しつつ、そこから得られる恵みを持続的に活用すること、そのための研究や人的交流である


▼下地敏彦宮古島市長は「周年を通して鳥が集うような環境をつくりたい」と語っている。植林も、ヘドロや周辺の不法投棄ごみの撤去も必要。エビや貝、魚が豊富にとれる豊かな海の再生が望まれる。