2012年8月11日(土) 22:28

シリーズ 島のくらしと環境<17>

野菜は堆肥で家庭菜園/下地与那覇の加賀さん家族

 

鶏も卵を産んでくれる貴重な家族

鶏も卵を産んでくれる貴重な家族

 神奈川県生まれの武さん(39歳)と東京生まれの美歩さん(33歳)は、4年前、住居を宮古島に移した。長男政宗くん(下地小3年)が幼稚園に入園する2009年だった。会社員だった二人は都会の慌ただしい時間に辟易し、「いつか、家族でゆっくり暮らせる南の島に行きたい」と思っていた。田舎暮らしを夢見ていたのだった。



 たまたま、下地与那覇に見つけた1軒屋は、フクギの古木が囲う鉄筋コンクリートの平屋建て。何より気に入ったのが、屋敷内にある家庭菜園が営める空き地だった。さっそく、亜熱帯に栽培されるあらゆる野菜を植えてみる。トマト、トウモロコシ、ラッキョウ、インゲン、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、シシトウなど約20種類は作ったという。


 化学肥料や農薬は一切使わず、自分で作った有機肥料を使う。生活から出る生ごみと雑草をドラム缶に投げ込み、堆肥を作る。ドラム缶には下部に穴を開け自然にできた肥料が取り出せると言う仕組み。「自分で食べる野菜くらいは自分で作ろうと思い、この方法を取った」と武さん。宮古に来る前に1年間、島根県で田舎暮らしを体験したのと、美歩さんが東京農大卒で知識を持っていたのが役に立った。


 せめて卵も自家製にと、ネットでいろんな種類の鶏の卵を取り寄せ、ふらん機で誕生に成功、今ではヒナを加え13羽がおり、一日3-4個を産んでくれるので、家族の分は十分だと言う。宮古に来てから生まれた龍之介くん(1歳4カ月)は、鶏にトゥナラ(アキノノゲシ)をやるのが好き、ヨチヨチ歩きしながら網で囲われた鶏にせっせとトゥナラを運ぶ。昼間は福祉施設に働く二人、夜のだんらんを4人で囲むのが何よりの至福だとか。