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行雲流水
2012年9月14日(金)23:32

「赤」(行雲流水)

 一言で「あか」といっても、その色相は無数といっていいだろう。太陽や火をもって赤の意味を解き説明する神話や叙情的な話は枚挙にいとまがない


▼日常で赤といえば伝統的な色である朱、紅、緋、茜を思い起こすのが普通ではないだろうか。それらの色は、日の出日の入りの空の色、ディゴやハイビスカスの色であり、郵便ポストや配送車の色であり、女性の美しさを引き立てる色合いでもある

▼赤色は、人目を惹きつけ心に残る色の一つであることから会社のロゴや商品に数多く使われて商業価値を高めている。反面「警告」「禁止」を示す色でもある。交差点の赤は禁止であり、災害時の救命トリアージは赤色が最優先処置を求める色である

▼政治的な意味で使われる赤は、革命のシンボルである。1791年フランス革命で革命派の内部抗争が起こったとき、対抗する一方が赤旗を革命旗として戦った。それ以来、赤旗は革命の象徴として階級闘争、社会主義、共産主義の国家や団体に引き継がれている

▼9月9日のMV22オスプレイの普天間配備に反対する県民大会は赤いリボン、赤はちまき、プラカード、労働組合の赤旗等々まさに赤一色で世界を圧倒する勢いであった

▼1日おいての9月11日、日本政府が尖閣諸島を国有化した。その日のうちに中国メディアは一斉に日本を激しく批判し、中国各地で反日デモが起こった。赤旗を振り、こぶしを突き上げ「小日本打倒」を叫ぶ姿は、沖縄県民大会と重なる。内憂外患のこの時期、中央政界は個の利益にこだわっている場合ではなかろう。

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