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2012年10月10日(水) 9:00

パーントゥが来たぞ/島尻、国指定文化財

泥を塗り厄払い/集落内は悲鳴と歓声


親子に泥を付けて厄払いと福を招いたパーントゥ =9日、平良島尻地区

親子に泥を付けて厄払いと福を招いたパーントゥ =9日、平良島尻地区

 「助けてー」「来ないでー」-。国指定重要無形民俗文化財の奇祭「パーントゥ」が9日、平良島尻地区で行われた。心地良い秋風と夕日が集落を照らす中、体中に泥を塗り仮面をかぶったパーントゥ3匹が1年ぶりに出現。逃げまどう住民や観光客らに泥を塗り厄除けをし福を招いた。集落内は日が落ちても泥を塗られた人の「キャーッ」「ウワーッ」の悲鳴が響いていた。



 集落中央の道路は厄払いと福を招くために訪れた人たちで大にぎわい。パーントゥの出現を待ちわびる期待と恐怖心の表情を交錯させ、3匹が現れるのを待った。


 3匹は仮面を付け、泥だらけのつる性の植物を身にまとい、つえを持ち、はだしのいでたちで出現した。


 子どもたちの中から「来たぞー」との声が上がると、全員が逃げる姿勢を見せ、パーントゥが走り出すと、子どもや女性は悲鳴を上げて逃げ回った。


 逃げまどう人たちに追いついたパーントゥは容赦なく泥を塗った。


 今井未知さんは娘の愛花ちゃん(5)と南花ちゃん(1)と参加。5回目のパーントゥで少し余裕のある愛花ちゃんに対して、初めてパーントゥを見たという南花ちゃんは大号泣。しがみつく南花ちゃんを抱きながら未知さんは「毎年参加しているがとても楽しい。これからもずっと参加したい」と話した。


 高橋安見さんは娘ゆつきちゃん(4)と参加。「初めて参加したけどとても楽しい。来年もぜひ見に来たい」と話す安見さんに対し、ゆつきちゃんは「本当に怖いよ。もう帰ろうよ」と泣きじゃくっていた。


 パーントゥはきょう10日も同地区で行われる。


 パーントゥ 数百年前に、島尻でクバマと呼ばれる海岸に黒と赤の仮面が漂着した。村人は、この仮面は海のかなたから訪れた来訪神と崇敬した。その仮面を男がかぶって集落内を駆け回ったのが由来と伝えられている。