2012年11月14日(水) 22:42

「七五三」(行雲流水)

 きょうは七五三。3歳・5歳の男子、3歳・7歳の女子が氏神にお参りする年中行事の日とされている



▼子どもの成長を祝う宮古島の伝統行事としては、「サラタティ」祝いがあった。数え3歳の春、干支の合う吉日に3歳児の頭髪のまわりを刈り上げ、カッパの皿の部分に頭髪を残す儀式だ。その日は親戚縁者が集まり、3歳児にも一人前のお膳を据えて祝っていた


▼「サラタティ」祝いには新生・巣立ちの意味があったのだろう。昔は乳幼児の死亡率が高く、出生届けは成育状態を見定めた後で出したため、実年齢と戸籍上の年齢が合わない人もいたという。漢字で「皿立」と書くのは、一人前の食いぶちとして認める儀式でもあったのだろうか


▼本土では、3歳で髪を伸ばし、5歳ではかまを着け、7歳で帯を締める行事があった。三つの行事をまとめて「七五三」と称して宣伝したのは呉服屋だった。明治以降は庶民も晴れ着姿で派手に祝うようになったという


▼もっとも現代の七五三は、10月から11月末までの間に、家族の都合のよい日に行えばいいということのようだ。行事の合理化だ。最近は、結婚披露宴をわざわざ〝仏滅〟の日にセットする若者もいる。会場の確保が容易で、会場使用料も安いからだという


▼商品流通経済がもたらした合理主義の精神は、風俗・習慣をも変えて来たし、今も変えつつある。だが、風習は変わっても、子どもの健やかな成長を願う親心は今も昔も変わらないのでは。「銀も金も玉も何せむに勝れる宝子にしかめやも」(山上憶良)