2012年11月28日(水) 21:34

今の時代は精神的不安定に悩んでいる人が多い。

日本親業協会親業インストラクター 福里 盛雄


1 なぜ、今の時代は、精神的不安定な人が多いのだろうか



 機械文明の発達によって、人の生活も合理主義に基づいて便利で豊かになったのにかかわらず、人の心は栄養失調状態に陥っている。そのために人の心は病み、さまざまな障害を発生させています。


 例えば、ノイローゼ、幼児の虐待、夫婦間の虐待、いじめ、自殺、殺人、万引き、孤独死、若者たちの非行、登校拒否、忍耐力の欠如による仕事の転移、物事に対する感動心の喪失、無目的人の出現、自己中心的で他人のことに無関心な連帯心と協調性を失っている人が多い。この問題の発生原因は共通性を持っている。行政などの公的機関や市民のボランティア機関も、人の精神的障害による不幸状態を憂い、その治癒のために、いろいろと施策を講じています。例えば、精神衛生研究会の開催もその一つであると言えます。また、いのちの電話、精神的障害者のケアのためのカウンセリング等。しかし、容易に現在の精神的不安定状況は減少しません。一体、私たちはどのようにして私たちの心の不安定を治癒すればよいのだろうか。今日の社会に起きている不幸な現象は、人間の心の痛みに起因していると考えます。私たちは、自分の心の痛みを察知すると、その痛みから解放されるために、何らかの行為をしたいという欲求を抱くようになります。その痛みから解放されたいという欲求充足の手段方法を間違えたのが、今日の社会に起きている不幸な現象です。精神的不安定による心の痛みからの解放は正しい方法でなされることが重要です。そのためには、人間の本質を正しく理解することが必要です。言い換えると、人間はどんな欲求を与えられて創造されているのか、その欲求は生活関係にいかなる働きをするのか。そのことを正しく理解し適切な処置を講じなければ、さまざまな心の痛みが起きてきます。人は精神的不安定では幸せな社会生活をすることはできません。


2 人間どんな欲求が与えられて創造されているでしょうか



 人間は、基本的欲求を与えられて創造されています。私たちの社会生活は、その基本的欲求の充足のための営みと言っても過言ではありません。その欲求が充足されたとき、人は幸せを感じ、その欲求が充足されず阻害されたりすると、自分は不幸な存在だと考えるようになります。基本的欲求は、人間の創造者によって与えられた人間の本質です。人間の基本的欲求は大きく生存的欲求と心理的欲求に分けます。生存的欲求は、健やかで長生きし、良い子孫を残したいという欲求だと言われています。心理的欲求は、愛し愛されたいという欲求、他人との連帯協調の欲求、自己存在感の欲求、自由と責任の欲求、楽しみの欲求である。これは(グラッサー博士の現実療法・精神医学への新しいアプローチ・サイマル出版社参照)この欲求は私たち人間の創造者の本質と一致しています。私たちの創造者は自分の性質を与えて私たちを創造なされました。ですから、人は基本的欲求が充足されたとき、人間としての幸せを実感するようになります。そして、他人との生活関係も円満になり、生きる目的と使命感に燃え、社会の健全な発展のために何らかの益になる貢献をしたいと考えるようになります。自分は幸せだと確信している人は、他人に必要な存在として安心感を与え、尊敬されます。自分は不幸な存在だと思っている人は、欲求不満から精神的ストレスを感じ、社会に好ましくない行動をし、社会を不安定な状態にする。私たちは、お互いが基本的欲求を充足し合う努力をする必要がある。