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行雲流水
2012年12月10日(月)22:57

「久貝勝盛の国際協力」(行雲流水)

 国際協力機構(略称JICA)は日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関として、開発途上国の経済および社会の発展に寄与する目的でさまざまな事業を行っている


▼その重点支援事業に「教育環境の整備と人材育成」があり、元宮古島市教育長の久貝勝盛氏がラオスに派遣され、ラオス大学で「生物」を教えている。氏が一時帰省したのを機に、任地の状況を聞くことができた

▼授業は、大学構内にある樹木の名を学ばせ親しませることから始めるなど、学生の実態に即して、その内容と方法を自由に工夫、展開している。また、授業のほかに、生活上のマナーの向上と外国語(特に英語)の習得について、指導に意を尽くしている

▼教師への尊敬の念は高く、「教育の日」があって、いろいろなイベントが行われる。その式典で学生から感謝の言葉が述べられる。余興では、氏の三味線演奏に合わせて学生たちは自然に体を揺すり、踊りだしたという

▼ラオスの現状は、インフラの不整備も医療や教育環境の不備も、その根底にある貧しさも、戦後の日本とそっくりである。外から見ると日本がいかに恵まれた国であるかが分かる。世界全体のために日本に課された責任の大きさを氏は強調する。ベトナム戦争当時国境付近に投下された爆弾の不発弾が今なお多く残っており、その処理機関への技術協力もJICAは進めている

▼開発途上国の抱える問題は世界の不安定さの一因でもある。その課題解決を支援することは重要なことで、氏の活躍をたたえたい。

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