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【特集】新年号
2013年1月1日(火)8:44

久松小中生 下地勇先輩と共演/平良

「ボクは国王」と「オールウェイズ」/デビュー10周年記念コンサートで


デビュー10周年記念コンサートの舞台で「ボクは国王」を歌う勇さんと小学生たち=10月20日、久松漁港内多目的広場

デビュー10周年記念コンサートの舞台で「ボクは国王」を歌う勇さんと小学生たち=10月20日、久松漁港内多目的広場

 久松出身の歌手・下地勇さんのデビュー10周年記念コンサートが昨年10月、久松漁港内多目的広場で開かれた。そのステージに久松小学校と久松中学校の児童生徒が登場。大勢の観客の前で勇さんと子どもたちで歌詞を考えたオリジナル曲「ボクは国王」を小学生が、「オールウェイズ」を中学生が勇さんと一緒に歌った。それは子どもたちにとって「憧れの先輩との共作、共演」という勇さんからの大きなプレゼントとなった。


 久松小中学生と勇さんの共作、共演が実現したきっかけは昨年1月。勇さんが久松中学校で同小中学生を招いての演奏会を行った。その時の子どもたちの感想文の中に「いつか勇先輩と一緒に歌いたい」という要望を見つけた勇さんが一緒に歌詞を作って、その歌を10周年記念コンサートで一緒に歌うことを決めたという。

 歌詞は、勇さんが決めたアンケートに答える形で子どもたちからワードをもらった勇さんがまとめた。アンケートの質問は小学生では①自分が国王なら国をどうしたいか②国民が元気を無くしていたら何をしてあげるか③国に遊びに来た人に何をしてあげたいか。中学生は①友達が元気のないときに何をしてあげるか②自分が元気のないとき何をしてほしいか③初めて会う人に何をしてあげたいか。

 アンケートから「ボクは国王」では「おこりんぼうのいない、ケンカもない、仲良しの国をつくる」など、「オールウェイズ」では「そばにいてあげたい、声をかけてあげたい、ずっと待っててあげたい」などのフレーズが歌詞に採用された。

 コンサート前、勇さんから完成した曲が届くと、学校の給食時間に流して聞いたり、中学校では音楽の授業でも練習を行った。そしてコンサート直前に1度だけ勇さんと一緒に歌う練習をして本番に臨み、堂々とした歌いっぷりを披露した。

 勇さんと一緒に歌詞を作ったことについて久松中学校の松川祐亮君(3年)は「自分たちが考えたことなんかを歌詞にしていいのかなと思った」という。最初に「オールウェイズ」を聞いた印象について笹本実花さん(同)は「勇さんらしい、リズムが良い曲だと思った」、垣花実亜さん(2年)は歌詞の中で一番好きなフレーズとして「部活帰りの長い影」を挙げた。観客の前で歌った感想について松川君は「全校生徒で歌えたのがうれしかった」、笹本さんは「みんなと勇さんと一緒に楽しく歌えた」、垣花さんは「最初、緊張したが、歌い出すと楽しくなった」と語った。

 「ボクは国王」を最初に聞いた印象について久松小学校の西里響君(6年)は「明るい感じでユニーク。こんな王国が本当にあったらいいなと思った」という。一番好きなフレーズとして粟国琳夏さん(同)は「ケンカもない、仲良しの国をつくるんだ」を挙げる。ステージで歌った感想について砂川夢人君(同)は「歌っていると観客が笑顔で手拍子をしてくれたので楽しく歌えた」と語った。

 共作し共演する機会をプレゼントしてくれた勇さんに対し松川君は「自分たちのために曲を作ってもらい、感謝の気持ちでいっぱい」、笹本さんは「デビュー周年に曲を作ってくれてありがとう」、垣花さんは「10周年のライブに出演させてもらうという貴重な体験をさせてもらい感謝している」、西里君は「アンケートから曲を作るなんてすごいこと。素晴らしい先輩」、粟国さんは「一緒に歌を作って、一緒に歌わせてくれてありがとう」、砂川君は「これからもこの歌は残っていくと思う。一緒に歌わせてもらって本当にありがとう」とそれぞれ感謝の思いを示した。

 後輩である久松小中学生との共演について勇さんは「感激して、熱くこみ上げてくるものがあった。子どもたちを見ていると歌えなくなりそうになった」と振り返る。アンケートでの歌詞作りについては「子どもたちの意見のすべてを反映させることはできなかったのでつらい部分もあった。飾らない、純粋な意見ばかりだった」という。コンサート終了後、知人から「勇の歌より子どもたちの歌が一番良かった」と言われたと笑う勇さん。「自分にとってこの2曲は特別な曲。機会をつくってまたどこかで歌いたいと思っている」との考えを示した。

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