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【特集】新年号
2013年1月1日(火)8:45

島言葉継承へ/城辺

城辺スマフツ辞典が完成/昨年、下巻を発刊
宮里久男さん(元スマフツ研究会長)に笑顔


城辺スマフツ辞典の上、下巻と宮里久男さん

城辺スマフツ辞典の上、下巻と宮里久男さん

 島の大切な文化、スマフツ(方言)を継承へ-。城辺のスマフツ辞典の下巻が昨年5月に発刊された。編集を進めてきた城辺スマフツ研究会は昨年7月に解散。島の大切な「宝」の編集作業を終えた同研究会元会長の宮里久男さん(87)は「肩の荷が下りた感じで今はホッとしている。ようやくここまでこぎ着けた。会員たちも80代が多く、研究会は解散したがこれからも次の世代が島の大切な宝であるスマフツを継承する取り組みを続けてほしい」と述べた。大切な言語文化である「方言」。継承していく上で同辞典は今後、大切な資料として各方面で活用されていく。


 宮古方言は、宮古にしかない大事な言語文化。しかし近年は、若い世代が話せなくなり存続が危ぶまれるようになった。

 そんな中、宮古方言の継承を目的に1995年、スマフツ講座(城辺町立中央公民館主催事業)が開講。2年後の97年には、方言辞典を作る目的で、「城辺町スマフツ研究会」(当時)が与那覇ユヌスさん(故人)を初代会長に発足した。

 上巻(8000語収録)は、2003年2月に発刊された。下巻発刊に向けたスマフツ研究会の活動は2004年から始まり、発刊までに7年を掛けた。

 発刊された下巻の内容は亡くなった与那覇さんの原稿を参考に、小中学生向けに編集したという。

 五十音表の「ナ行」から「ン」までで、7000語を収録。辞典には、方言の標準語訳だけでなく、面白い用例やンキャーンジュク(昔の人の格言)なども収め、読んで楽しめる内容となった。

 これからのスマフツ継承について、宮里さんは「辞典では文字でスマフツを表記しているが、その発音を文字だけで表現するのは難しい。今後は発音についても音源の資料としてCDなどに記録する取り組みが必要だと研究会でも意見が出ていたので音源としてのスマフツを再度まとめる作業が必要だと思う。この作業は後輩たちが受け継いでやってくれるだろう」と笑顔で話した。

 編集にあたった元城辺スマフツ研究会員は次の通り。(敬称略)

 会長=宮里久男(砂川)▽副会長=砂川松吉(上区)▽監事=池田健盛(西中)中野隆作(西東)▽事務局長=下地智(新城)▽会員=下里栄作(友利)本村キク(比嘉)友利貞一(吉野)

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