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行雲流水
2013年3月27日(水)23:03

「TPP交渉参加」(行雲流水)

 安倍内閣はTPP交渉参加を決断した。幸い、重要品目として[砂糖][牛肉]が挙げられている。宮古島が〝斬り捨て御免〟に遭うことはないだろう


▼とはいえ、それは必ずしも従来どおりの生産形態が続くという意味ではない。農家所得を保障しつつ作目転換などの農業構造改革を政府の責任で実施する、という意味を含んでいる。今後、宮古島の農業に大きな変革が起こりそうな予感がする

▼例えば、農業従事者の高齢化を考えると、製糖会社が農地を借り受けて集約化と機械化を促進し、次いで作目転換を推進するシナリオだってあり得る。将来の製糖工場は、野菜ジュースなど農産物加工の一大拠点に変身しているかもしれないのだ

▼県の農林水産振興センターも正念場を迎えている。宮古島の農業構造を変え、発展の道筋をつける必要があるからだ。課題は、高付加価値作目の追求と台風対策(風速60㍍に耐えるネット・ハウスの試作研究、普及など)だ。予算は、国が出す

▼農業研究センターも「試験研究推進構想」(平成22年策定)を直ちに見直し、重点を果樹、野菜、花卉などに移す必要がある。輪作体系や病害虫対策なども併せて研究し、知見の蓄積を急ぐべきだ

▼行政・研究機関が旧態依然のままでは、農家は時勢に取り残される。あらゆる事態を想定して、研究開発を加速し、多様なモデル事業を実施しておくことが緊要だ。知恵の値打ちが出る「考える農業」へ挑戦する時代が来た-そう捉える気概があれば発展の道は開けるであろう。

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