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行雲流水
2013年6月7日(金)22:27

「宮古病院」(行雲流水)

 移転新築された県立宮古病院の外来診療が6月3日に始まった。20年余の構想と模索が花開いた記念すべき日だ。その間の歴代院長や職員の労をねぎらいたい。宮古圏域の中核病院として地域の人々にどう応えるか、「新病院の特徴」4項目が6月1日付の本紙広告のページに掲載されている


▼特徴の一つである「すべての人に快適な病院」は理念として「地域と心かよわせ共に歩む」に具体化され、SMILEと表現される。笑顔は人の持つもっとも人間らしい表情であり、穏やかな安らぎをもたらしてくれる

▼医療の世界は、医師、看護師、技師や医療福祉に携わる行政機関の職員と病気を抱えている人、障害のある人や一般の人々から成り立つ複雑な世界である。スマイルは、複雑な世界の中で患者や障害者を主体にし、医療従事者を温和で力強い援助・支援者とする思想であると考えられる

▼医療従事者を中心とした診療であったひところの現場を患者の自立と意思を尊重する場に変える旧病院の玄関正面に掲げられていた理念を新病院も踏襲する医療機関としての表明と思える

▼20の診療科を備える総合病院としての県立宮古病院は宮古島に住む者にとっていつでも世話になれるこの上ない施設であるが、人生80年といわれるこの時代に私たちは老いて死を迎えるまで「活動的人生」「障害のない人生」「ボケのない人生」を心掛けるべきだろう

▼そのことが住民としての病院への応援になるのではなかろうか。とはいえ、個人ではいかんともし難い疾病は医師の判断に委ねるしかない。その時に宮古病院の理念を現実のものとして実感することになるであろう。(凡)

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