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行雲流水
2013年6月19日(水)23:12

「機能性農産物」(行雲流水)

 高齢社会では、健康食品やサプリメントへの関心が高まるようだ。安倍総理までもが「機能性農産物」を言い出した。農産物の品質表示方法を改め、機能性農産物の開発を促すという


▼機能性農産物とは「栽培方法の改良や通常の品種改良などによって、機能成分の含有量を高めた農産物」(農研機構の定義)。では、機能成分とは何だろう?

▼食品には栄養、嗜好、疾病予防の三つの機能があるといわれるが、もっぱら疾病予防の観点からみた食品を機能性食品と呼んでいる。機能成分とは疾病予防効果のある物質のことを指しているようだ

▼たとえば、鉄がさびるように人体も酸化するという。酸化が進むとシミやシワが表れ、生活習慣病やがんを発症する。酸化の原因物質は活性酸素だが、活性酸素を分解する人体機能は加齢に伴い低下する。これをカバーするのがポリフェノールなどの物質だといわれる

▼今後、このような機能成分を多く含んだ農産物が高値で売れるということのようだ。具体的には、トマト(機能成分リコピン)、玉ネギ(同ケルセチン)、ジャガイモ(同カロテノイド)、サツマイモ(同ポリフェノール)など、機能成分の含有量を数値で表示して競うことになりそうだ

▼このように見てくると、農業研究センターやJAの研究体制を強化する必要がありそうだ。宮古島の気候、土壌に根ざした機能性農産物の開発・改良・普及に新機軸を打ち出してほしい。人員・機器を拡充して、共同研究や分析依頼など農家の相談にも積極的に対応してもらいたい。(柳)

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